留学は米国?英国?いや、マレーシア!【下】

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留学は米国?英国?いや、マレーシア!【中】

 

 

■マレーシア留学後の就活事情

海外の大学に進めば、高い英語力、異国でやり遂げた自信、視野の広さなど国内では得られないものが手に入ります。多くの企業にとって魅力的な人材であることは間違いありません。かなり有利に就活を進められるのでは?と思っていた筆者ですが、マレーシア留学をしている2人の日本人に聞いたところ、不利なこともあるようでした。

まず、就活のタイミングが難しい。日本の大学のように、3年生までにほとんどの単位を取り切り、4年生では面接をいつでも入れられる、という状況を作ることが難しいようです。マレーシアの大学は学年によって取る単位が決まっており、かつ、学年が上がるにつれて課題の量も増えるため、最終学年はかなり忙しいのだとか。また、学部によっては最終学年で長期インターンが必須の場合もあるため、さらにスケジュール管理が難しくなる可能性があるそうです。

距離の問題もあります。オンライン化してきたことで解決されつつありますが「最終面接は対面で」となればその度に飛行機で日本まで駆け付けなければならず、かなりの負担。海外大生の間で有名なボスキャリ(※)に参加するとしても、マレーシアからアメリカはかなり遠く、航空代も高くつきます。

海外大生一般的に言えることではありますが、就活の情報を集めにくいのも悩みです。日本では、周りの友達と早期選考、インターンの話をして「そろそろやらなきゃ」と動き出す大学生も少なくないでしょう。海外では高いアンテナを張り、ネットを駆使して自分から情報を集めに行くしかありません。

日本の大学生と同じように就活をするには難しい面もありますが、教えてくれた友人は、なんとか乗り切り、12月にマレーシアの大学を卒業し帰国しました。春から日本企業で働き始めます。相当な努力をしてきたとは思いますが、絶対に無理なわけではないということです。また、卒業後すぐに働き始めることにこだわらず、自分がしておきたい経験、身につけておきたいスキルを優先し、その選択を認めてくれる企業を選ぶのも悪くないでしょう。

※ボスキャリ…「ボストンキャリアフォーラム」の略称。世界最大の日英バイリンガルのための就職・転職イベント。毎年秋頃にボストンで開催される。150社を超える企業、8000人以上の参加者が世界中から集まり、説明会や面接を行う。

 

■魅力的な大学生活

筆者は日本で4年間の大学生活を経験し、日本だからこそ出会えた人、学べたことがあったなと感じています。それでも、マレーシア留学という選択肢を早くから知っていたらそちらを選んでいたかもしれないと思うほど、彼女の大学生活は魅力的に映りました。

1週間のマレーシアで彼女と一緒にいて印象的だったのは、いたるところで「日本の国民性や文化は鎖国がかなり影響してるよね」と言っていたことです。確かに、マレーシアの宗教観や文化、国民性を実際に見て受けた衝撃は、「逆に日本ってどうしてこうなんだろう」という疑問を生みました。外から日本を見ることで、日本という国の理解はより深まります。今まで見出せてなかった歴史を学ぶ意義や面白さを感じられたのも、大きな収穫でした。

就活事情など、よく検討すべき点はありますが、異国の地でほかの人とは違う刺激的な経験を積み、多くの学びを得られるマレーシア留学に、目を向けてみてはいかがでしょうか。

▲首都クアラルンプールのシンボル、ペトロナスツインタワー。独立記念日「ムルデカ」の際のライトアップ。