新党よ 行きつく先は 「烏合の衆」?

2016年に入ってからまだ2か月だというのに、大スキャンダル続きの永田町、少し落ち着くかとみられた昨日、またもや大きなニュースが入ってきました。いつになったら、安定した国会論議に入れるのか、筆者は段々疲れてきました。「おじさんたち、もういい加減してくれよ。」言いたいことはこれに尽きるのですが、本日もお付き合いください。ということで、今日は民主・維新の合流合意について考えていきたいと思います。

新党結成に向けた協議を続けている民主、維新両党は3月に合流し、党名を変更することで大筋合意しました。合流後、夏の参院選までは民主の岡田代表が党首を務める見通しで、両党は24日以降、会合を開き、党内了承を取り付ける方針です。なお、一から新党を結成するのではなく、維新の党が解党し、民主党が吸収合併する形を取ります。具体的な手順としては、民主党が1名と地方組織を残して全員離党し、維新議員の移籍とともに新たな民主党のもとに再結集する案が浮上しています。なおこの場合、維新の参院議員5名は旧みんなの党から比例代表で当選したため、国会の規定で合流できず、参院選で改選を控える4名は選挙前に議員辞職し、合流後の民主党から出馬することが想定されています。党名についても、民主党を継続するのか、新しい名称を用いるのか検討されている模様です。合流後は一つの党に衆参合わせて157名の議員が揃うことになります。「自民一強」と言われる今日、国会での影響力をどれだけ行使できるのか、注視していく必要があるでしょう。

はっきり申し上げますと、あまりこのような議論に時間を割くのは好ましくないことではないと感じています。国会議員の仕事は、我々有権者のの主張を代弁し、国会で意思決定を行うことです。多数決が原則のため、自分たちの発言力を高めるべく党をという組織を用いることは否定しませんが、その話にかなりの時間を割いているようでは、有権者の声で国会に届くものも届かなくなってしまいます。野党ならそれは顕著です。果たして両党の議員たちは自分たちに投票してくれた有権者の声や理念に共感し、各地方で活動している地方議員の思いを国会に届けなくてはという思いや情熱をまだ持ち続けているのでしょうか、もともとそんな暑苦しいものは持ち合わせていなかったのでしょうか。政治家としての志を持っていれば、こんなことに長々と時間は割けないはず、筆者はそう感じずにはいられません。

民主や維新に投票した人々の感情は決して平穏なものではないでしょう。両党とも主義主張には大きな隔たりを持っている箇所も多く、維新の党には民主党を離党した議員も少なくありません。離党した議員の党に投票している有権者にとってみれば、納得がいかないでしょう。民主党にしてみれば、「吸収」という形を取ったにせよ、一部で主義主張が大きく異なる議員が党内に入ることなります。支持母体である連合の所属者は本当に納得しているのでしょうか。この点についても、筆者は疑問に感じています。

現在の民主党は様々な党が合わさってできています。書いてるこちらまで混乱するので名前は挙げませんが、まず3党が合流し、その党を含めた3党が旧民主党に合流することで結成されました。維新の党も同様に紆余曲折ありました。みんなの党を離党した議員たちのよって結いの党が結成され、その後日本維新の会に合流し、現在の維新の党に名称変更、その後松野代表と橋下氏の間に亀裂が生じ、大阪系議員が、除籍処分となり、党が分裂しました。といった具合で、党の動きの多くが、党の戦略というよりも内部闘争によるものです。果たして、党とはそういうものだったのか、いやそんなはずありません。

国語辞典を引くと、「政治的な主張を一にする人の団体」とあります。これが最も近いでしょう。ここにある通り、党には政治的な主張を一つにしておく必要があるのです。もうこれくらいで党の話は終わりにして、議員のみなさんには、党の根幹である主張を議論していただきたいと思います。それがこれまで散々揉めてきた党の在り方を考え直す第一歩のはずであり、有権者の支持を得ることにもつながるでしょう。

両党の議員の皆様へ

主張の統一を怠れば、また慣れっこの分裂の未来が待っていますよ。その時の党名は「烏合の衆」の他ありません。

参考記事:24日付各紙朝刊関連面