昨晩は多くの方がテレビに噛り付いていたことでしょう。渦中の彼ら自身からの発言一つ一つはとても重く感じられます。今や国会議員以上の影響力を持つといっても過言ではありません。国民的アイドルの最大の危機を乗り越え、今後の活動に注目が集まります。今日は昨晩のSMAPの発言の影響を考えていきたいと思います。
所属先のジャニーズ事務所から一部メンバーの独立が取りざたされている人気グループ「SMAP」が18日、レギュラー出演するテレビ番組に生出演しました。メンバーの木村拓哉さん(43)が中央に立ち、「これから自分たちは何があっても前を見て、ただ前を見て進みたい」と神妙な面持ちで語り、今後もグループとして活動していくことを明らかにしました。他のメンバーもそれぞれコメントし、ファンを不安にさせたことへの謝罪やこれからまた頑張っていく旨をお茶の間のファンへ向けて語っています。今でこそ国民的アイドルの一つですが、デビュー曲が必ず1位となるのが慣例のジャニーズで異例の2位スタートとなったことやメンバーの脱退など、道のりは決して平坦ではなかったはずです。1988年結成、今年で28年目。SMAP史上最大の危機を乗り越え、より一層の活躍が期待されます。
解散か存続か、これはメンバー本人や事務所、関係各所が合意すればいいだけの話です。いくら国民的といっても外野が文句を言うべきではないでしょう。今日はそういう話をするつもりはありません。それよりも筆者はメンバーがファンや世論に向けて直接話すことに大きな意義があるのではないかと感じています。様々な情報が飛び交い、混乱が生じ、ファンが不安に感じている中、本人から語ることは憶測やうわさなどが入りません。信じられる唯一の情報といっても過言ではないでしょう。2分40秒前後とわずかな時間ではあったものの、自らの言葉で語る姿は多くの人々を安心させたはずです。その安心の中には、SMAPが存続するということだけでなく、メンバーが自分の口で語っているその姿を見たことも大きく影響したのではないでしょうか。
筆者個人の感想としては、わずかな時間とはいえ、このように、自分たちの行動について責任もって語る姿勢は世間の注目を集める仕事をする人間としてあるべき姿だと感じています。今回のような対応ができるメンバーがそろったグループであるということもここまでの地位に上り詰めた大きな要因かもしれません。人前に立つ職業についていながら、大きな問題を引き起こしても責任逃れのような対応をする人間、報道等で見かける機会は読者の皆様も何度もあるかと思われます。多くは自分の口から謝罪や対応について積極的に語るようなことはしません。その結果、世間からの反感を買い、復帰に長い年月を要したり、二度と表舞台に姿を見せることができなくなってしまいます。その際、今回のような対応ができていれば、結果は違っていたかもしれません。今回のSMAPの対応はその点で、非常に模範的な対応だったのでしょう。
今でこそアイドル活動だけでなく、俳優業やバラエティ番組など、各方面で大活躍している国民的アイドルグループですが、元は群雄割拠、常在戦場のアイドルグループの一つ、ここまで大きくなったのは、もしかすると、SMAPという存在そのものが元々特別なオンリーワンだったからかもしれませんね。
参考記事:19日付朝日新聞朝刊(東京14版) 38面(社会面)「SMAP存続」より
同日付日本経済新聞朝刊(同版) 34面(社会面)「SMAP 5人で存続へ」より
同日付読売新聞朝刊(同版) 38面(社会面)「SMAP 存続へ」より