緊急事態宣言は必要か

現在、東京都には4度目の緊急事態宣言が発令されています。そして今日政府は、東京など6つの都府県の緊急事態宣言について期限延長を決定しました。しかし、今もなおコロナ感染者は増え続ける一方。昨日の東京の感染者数は4295人にのぼります。

1回目の緊急事態宣言は去年の4月。初めてだったこともあり、ほとんどの国民が自粛生活を送りました。この1か月間を我慢すれば、なんとか収まるだろう、誰しもがそう思っていたと思います。この宣言、そして国民の協力のおかげもあり、宣言解除後、感染者数は減少傾向が見られました。しかし、去年の12月から今年の1月にかけて、またもや増加傾向に転じ、2度目の緊急事態宣言が発令されました。それ以降も増減を繰り返し、今年の4月には3度目、そして現在発令されている4度目の宣言に至ります。

この緊急事態宣言には何の意味があるのでしょうか。出すべきか、出さないべきか。専門家や医療者の中でも、意見は分かれているようです。

4度目の緊急事態宣言下にも関わらず、この感染者数の多さ。正直なところ、もう宣言には意味がないのではないかと思います。国民のほとんどが慣れてしまったからです。1度目の時の緊張感は、今や全くありません。もはや、緊急でも何でもありません、日常です。安易に発令しすぎてしまったのではないでしょうか。緊急事態宣言という「形」だけに縛られ過ぎてしまったのかもしれません。とりあえず、出しときゃいいだろう感は否めません。

政府に対して、「対応が遅い、もっと早く宣言を出していれば感染は広がらなかった」といった声も耳にします。もうおそらく、早く宣言を出そうが出すまいが、結果は同じなのではないかと思います。自粛する人はしますし、自粛しない人は全くしませんから。この状況下で自粛していなかった人が、緊急事態宣言出たから行動を改めようと思うはずなど到底ありえません。飲食店の対応も同様です。何度も出される緊急事態宣言。その度に、営業時間の短縮や酒類販売の規制など、どこの店も我慢を強いられます。また、店でお酒を飲めない分、路上飲みは増え、夜の都会は大勢の人たちで賑わっています。1年半続いている我慢の限界はとっくに通り越しています。

宣言の効果が薄れてきている今、ただ発出するだけでは感染者数の減少に繋がりません。コロナ政策を根本から見直し、具体的な対策を講じた上で、宣言を出す必要がありそうです。感染者数を抑える手段は、緊急事態宣言だけではないのでは。

 

参考記事:読売新聞14版30面 全国感染 連日2万人超