筆者が通っていた小学校では朝、校門の前に安全を見守ってくれる警備員さんが立っていました。毎朝「おはようございます」とあいさつを交わすだけではなく、「今日も頑張ろう!」などと一人一人に声をかけ、また、体調不良で休んでいた子には「大丈夫だった?」と話しかけるなど、児童全員のことを思ってくれている、とても優しい警備員さんでした。小学校を卒業して8年ほど経った今でも、強く印象に残っています。
今朝の読売新聞で、名古屋市内で全11小学校を対象に実施されている、登下校の見守り活動が取り上げられていました。名古屋市立老松小学校の校門前に立つ、松元交番の池田洋介巡査長は、朝夕、児童とじゃんけんで交流をしています。子どもたちからは、「じゃんけんおまわりさん」と呼ばれ、親しまれています。普段から児童と関わることで、異変にいち早く気づき、子どもたちが犯罪に巻き込まれるのを防ごうというのです。朝夕2回のじゃんけんを通して仲良くなり、全校児童175人の大半の顔が分かるようになったそうです。
池田巡査長は、
「何かあった時、子どもたちからのほうから相談できる存在になっていたい」と話します。
先ほど紹介した小学校の警備員さんも、子どもの側から相談しやすい環境を作ってくれていたのかもしれないなと、この記事を読んで感じました。
刑法犯の認知件数に占める子どもの被害の割合は、依然と高い水準にあります。犯罪はいつどこで起きるか分かりません。大人が、犯罪から守ってあげるのは当たり前のことです。しかし、大人が把握しきれる範囲にも限界があります。それゆえ、子どもから大人への自発的な相談が大切になってきます。しかしながら、子どもが大人に相談しづらいといった現状があるのも事実です。だからこそ、子どもがいつでもSOSを出しやすく、自発的に悩みを大人に話すことができるような環境をつくることが重要だと感じます。そして、相談できる大人はいるのだという安心感を、全ての子どもたちに持たせてあげることが大人の役目ではないかと思います。
(警視庁ホームページより引用)
参考記事:10日付 読売新聞(愛知12版)24面 登下校 じゃんけんで交流