昨年はデマ元年であった。新型コロナは人工の生物兵器、お湯で死滅する等々。内外を問わず、新型コロナに関するデマが席巻した。
なぜ、新型コロナに関するデマは拡散されたのか。米国の心理学者が提唱した「デマの公式」によると、「重要性×情報のあいまいさ」により「デマの流通量」が決まるという。つまり、新型コロナは人間の生死に関する重要な事柄であり、不確定要素も多かったため、デマが拡散されたのだ。
現在、新型コロナに関するデマは下火である。背景には、「コロナ慣れ」による重要性の低下、研究の発展による情報の明確化があるだろう。しかし、デマにはまだ用心が必要だ。なぜなら、新型コロナに関するデマに取って代わる新たなデマが拡散されつつあるからだ。
そのデマとは、ワクチンデマである。ワクチンの副反応により重篤化、死亡する可能性がある等々のデマだ。ワクチン接種は重要性が高い事柄であり、短期間で開発、承認されたため不信感も強い。まさに、デマの公式に当てはまる事柄であり、デマ拡散には注意が必要だ。
日本では高齢者へのワクチン接種が4月12日から始まる。デマに踊らされた昨年の二の舞とならぬようワクチンに関する情報の見極めを怠ってはならない。
参考記事:
26付朝日新聞夕刊(4版)4面「世論調査のトリセツ コロナ情報 ウソ?本当?…「不安」」
東洋経済オンライン「コロナのデマに「騙される」「騙されない」の差」
https://www.google.co.jp/amp/s/toyokeizai.net/articles/amp/337962%3fpage=3
毎日新聞「焦点 新型コロナ ワクチン、不信払拭カギ 米、人種差別の暗い記憶」