筆者は昨年末に新型コロナウイルスに感染していました(コロナ闘病記はこちら)。ホテル療養を終え、現在は普段通りの生活を送っています。とはいえ、後遺症のような症状に悩まされています。倦怠感(だるさ)、立ちくらみ、吐き気、気分の落ち込みなどです。嗅覚と味覚も完全に元通りというわけではありません。
一般的には、気分の落ち込み、思考の低下、息苦しさ、脱毛などの症状が挙げられています。重症化する割合が低いとされる若い世代でも後遺症は多くみられ、長く苦しむこともあると報じられていました。
つい先日、1日以上吐き気がおさまらなかったので、コロナ後遺症外来で診てもらうことにしました。私が選んだのは渋谷区の病院。オンライン診察をしていたので、気軽に受けることができました。専門外来はほとんどありませんが、この病院以外にも、川崎市の聖マリアンナ医科大病院に「感染症後外来」が開設されるそうです。
診察の流れとお医者さんとのやり取りを紹介しましょう。受付から支払いまですべてインターネット上です。受付時には、名前や症状などを細かく記入。保険証と自分の舌の写真を撮り、提出しました。
受付開始とほとんど同時に入力を開始しましたが、15人待ちでした。約2時間後に電話で診察を受けました。
事前に症状を記入していたので、その確認と、対処法についての説明がありました。「後遺症と気持ち的なものと両方だね。分けられないので。症状が良くなれば、気持ちもよくなると思う」と言われました。すぐに改善されるわけではないそうです。亜鉛サプリを摂取することをすすめられたほか、漢方薬を処方してもらいました。診察は5分で終了。その後クレジットカードで決済し、後日、領収書、診察明細書が送られてきました。処方された薬はあらかじめ受付時に指定していた薬局にFAXされ、翌日に取りに行きました。
後遺症なのか、精神的な問題なのか—。もやもやしていましたが、病院にかかってよかったかなと思います。SNSでは、感染した後のことについての投稿を目にします。中には、会社を辞めなければならないほどの症状に悩まされている人や、学業を一旦中断しなければならない人もいました。それと比べると、私は普段通りの生活が遅れているので、特に困ったことはありません。ですが、コロナに感染する前は感じていなかった、倦怠感や吐き気に悩まされるのは、生活しづらいなとも感じます。もしかしたら私のように感じている人は、その声が見えないだけで、周囲にもいるのではないかなと思います。
診察の際に、後遺症は「あるのが当たり前」と言われました。日本では緊急事態宣言下で医療体制が危機的な状況にあると思うので、後遺症まで手を広げることができないというのが現状かと思います。しかし、海外では論文も発表されており、見過ごすことができないことの一つとされているそうです。軽んずべきではないと思います。
ちなみに、私は「患者さんの中では、軽症の方ですね」と言われました。私もそうだと思っていました。幸い、今日は調子がいいです。コロナにならないのが、一番だと思います。あらためて気を付けてほしいです。高齢者はもちろんのこと、若者も侮ってはなりません。
参考記事:
18日5時31分神奈川新聞電子版「後遺症を診療 聖マリアンナ医大病院が専門外来開設 川崎」
15日NHK「コロナ”後遺症 若い世代にも”700人以上診療の医師訴える」
13日付朝日新聞朝刊8面「患者7割、後遺症か 武漢拠点病院、新型コロナ」
9日17:29読売新聞オンライン「コロナ後遺症、発症半年後も疲労感や睡眠障害など76%…中国・武漢市」
2020年12月1日毎日新聞朝刊「深刻、コロナ後遺症 倦怠感、呼吸困難…「仕事できない」 進まぬ周知 医師、診断できず」