12日付の読売新聞朝刊で目に留まったのは、「隠れクラスター拡大」という記事でした。
各地で新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にある中、外国人コミュニティーでのクラスターの発生が目立っているといいます。外国籍の感染者は、多少のせきや発熱の症状があっても受診しない人が多い傾向がある、行動歴の聞き取りや濃厚接触者の特定のために時間がかかるなどの特徴があり、早期の検知が難しいそうです。
東海地方の自治体でも、さまざまな支援を進めています。次のような取り組みは、その一部です。
外国人住民の方々のPCR検査会を実施してコロナに関する多言語の説明文を会場に設置する。外国人コミュニティーの世話人らを通じて注意喚起をする。クラスターの円滑な追跡調査のために通訳ボランティアを迅速に派遣できる体制を整える。易しい日本語での説明を公式ホームページに載せる。
各自治体や政府のホームページを見てみると、確かに易しい日本語で新型コロナウイルスについて説明されていました。対策の仕方、症状が出たときにどうするべきなのかなどの情報が、ふりがな付き、大きめ、行間隔広めに書かれています。
しかし、丁寧に情報を載せていても、彼ら自身がその情報に触れられているのかはわかりません。私が新型コロナウイルスについて当事者意識をもって情報を集めたのは、ニュースや人との会話を通じてコロナウイルスの脅威について考えさせられた時でした。日本語に不慣れな外国人の方は、触れるニュースの量も接する人の数も少ないと思います。自分にも影響がある問題だと感じなければ、自ら情報を集めに行くことは望めないのではないでしょうか。
行政だけでなく、外国人と関わることの多い市民が、彼らが情報を受け取れているかどうかを気にかけることが必要だと思います。外国人の出入りする場所に易しい日本語やイラストで描かれたポスターを貼る、外国人コミュニティーやそれが運営しているSNSの紹介をするなど情報をよりスムーズに受け取りやすくする環境を整えていきたいものです。また、例えば「換気をする」ではなく「1時間に2回は窓をあける」など、わかりやすくかつ具体的な対策行動を伝えることも、大事なことだと思います。
参考記事:
12日付読売新聞朝刊(愛知13版)31面(社会面)「隠れクラスター拡大」
参考文献: