「持続化給付金詐欺」に気をつけろ!

新型コロナウイルスの影響で収入が減った個人事業者らに国が支給する「持続化給付金」制度を悪用し、虚偽の申請で現金をだまし取る事件が全国で相次いでいる。

 愛知県警では、不正受給について相談してきた252人(未遂や未申請者も含む)のうち、20代が140人で半数以上を占め、10代を加えると6割を超えたという。また、職業別では、大学や専門学校などの学生が66人と4分の1を占めている。

 学生が関わる「持続化給付金詐欺」には、ある共通点がある。それは不正申請の「駒」として利用されている点だ。つまり、詐欺グループから指南を受けた学生が、学内で勧誘活動をする。そうやって集めた学友や後輩、サークルの仲間に不正申請させ、給付金を上納する構造ができあがっている。

 この構造は一見すると単純だ。しかし、実際に親しい先輩や友人から「申請を手伝ってほしい」と頼まれたら、上に詐欺グループがいるなどと考えもせず協力してしまうのではないだろうか。だからこそ、詐欺グループは大学生を勧誘役にしているのだろう。

 私たちが詐欺グループに「カモ」にされないために、注意すべき点は二つある。まず、親しい間柄でもお金に関する話、特に、「おいしい」話には乗らないこと。次に、怪しいと思ったらすぐに信頼できる大人に相談すること。この2点を意識しておけば、ある程度避けられるだろう。

 「持続化給付金詐欺」は大学生にとってあまりにも身近な存在になりつつある。現に、私の通う大学でも逮捕者が出た。「私は大丈夫」と高を括るのではなく、さきの2点を日ごろから意識し、詐欺グループに「カモられない」対策を講じていく必要がある。