アフターピル 処方箋なしでの入手はまだ早い?

大学生になり、高校時代の拘束から解放されたせいか、異性関係について話を聞く機会が増えた気がします。ほっこりするエピソードもありますが、男女とも性についての相談が多いです。

「最近、彼氏が身体ばかり要求してきて辛い。もう会いたくない」

友人Aさんは学校で知り合った彼氏に猛烈アピールをし、念願のパートナーになりました。しかし、付き合って数か月後、何かと要求される場面が増え、二人の関係はどんどんエスカレート。避妊具を着けずに性行為をしようとしたため、彼女はすっかり落ち込んでしまい、会うのをためらっているそうです。

「彼女がコロナにかかったのか、妊娠の初期症状だったのか分からず、パニックになってしまった」

友人Bくんは少し震えた声で話しました。避妊が何らかの手違いで失敗し、急いで近くの産婦人科へ。アフターピルを処方してもらい、一段落ついたと安心していました。しかし、服用から数時間後、彼女の様子が一変。頭痛、だるさ、吐き気におそわれ、彼の頭の中は真っ白に。不安のなか眠りにつくと、翌日、彼女は元気になっていたそうです。アフターピルの副作用でした。もう彼女の辛い顔を見たくない、と力強く語ってくれました。

二人のエピソードから、あることに気が付きました。

「最終的にひどく傷つくのは女性だ」

男性は自覚するべきです。たとえ避妊具を装着しても、100%防げるわけではありません。アフターピルを服用しても、「望まない妊娠」で中絶するにしても、身体と心に傷を負うのは女性です。男性は見守ることしかできません。

政府は10月8日、男女共同参画に関する専門調査会で、処方箋なしでアフターピルを購入できるよう検討する方針を打ち出しました。「容易に購入できるようになってほしい」と期待の声があがる一方、「絶対悪用する男性が増える」という否定的な意見が多く見られました。2017年にも同じ検討がなされました。しかし、医師や薬剤師らが「安易な使用を招く」などと反対し、「時期尚早」と見送られた経緯があります。

根本的な原因は「性教育、性知識の欠如」だと思います。数か月前にはコロナによる外出自粛で、10代の妊娠相談が急増していると報道されました。また性教育に関して、学校などの外部機関に任せっきりな印象を受けます。本当に教えるべきは親だと思います。家庭内で性がタブー視されていませんか。私はテレビで少しでも卑猥な表現が映った瞬間、すぐその場を離れていました。一瞬にして気まずい雰囲気になるのが嫌でした。その反面、「なぜ性に関してオープンになれないんだろう」とモヤモヤしていました。

日本人に欠如されている性知識。学校での授業も大切ですが、そもそも性教育は親がするものです。「望まない妊娠」やアフターピルの服用で傷つくのは女性です。未だにアダルトビデオを性行為の教材として認知している男性が多い今日。また「時期尚早」と判断されてもおかしくありません。多少高額でも、より手軽に入手できるようになることを願います。

緊急避妊剤「ノルレボ錠」/スクリーンショットで撮影

参考記事:

10日付 読売新聞朝刊(大阪13版)31面(社会)「緊急避妊薬 処方箋なし検討」