雨、雨、雨・・・繰り返す水害

今朝は凄まじい通知音で起こされました。スマホには「緊急速報」の文字が。京都市は西部に流れる天神川が氾濫する可能性があるとして、避難勧告を発令しました(午前5時30分)。窓から外を覗けば、まるで台風が直撃しているかのような強い風と雨。「近くに流れる鴨川が氾濫するかもしれない」と不安になり、ゆっくり寝られませんでした。

午前5時30分に着信した緊急速報。その後も連絡が続いた。スクリーンショットで撮影。

<現状>

停滞した梅雨前線の影響で、九州全7県の9河川20か所で氾濫が起きました。4日からの豪雨の死者は、7日午後9時現在で計56人に達しています。熊本、鹿児島、大分県では行方不明者の捜索が続いています。気象庁は、西日本から東北の広い範囲で9日まで大雨が続くと発表しています。

<過去にも似たようなケースが>

平成30年6月28日~7月8日、西日本を中心に広い範囲で豪雨が記録されました。「西日本豪雨」とも呼ばれ、河川の氾濫、土砂災害などにより多くの人が亡くなりました。発生から2年、被害が集中した広島、岡山、愛媛の3県では、自宅を再建するなど恒久的な住まいに戻る人が増えているようです。しかし、復興の進度には地域差があり、未だに多くの人が仮設住宅に残っています。要因の一つに新型コロナの影響による建築資材の納入の停止が挙げられます。

他にも平成29年に発生した九州北部豪雨など、今世紀に入ってからほぼ年に1回のペースで被害を受けています。

<治水は限界?不十分?>

4日に氾濫した球磨川流域では、昭和40年にも大規模な水害が発生しています。その翌年、国は球磨川支流の川辺川にダムを建設する計画を発表しましたが、地元の反対により中止。「ダムによらない治水」を目指してきました。ところが甚大な被害を受けてしまいました。多額の資金が必要であったため十分な対策ができなかったと、蒲島郁夫・熊本県知事は悔やみます。

国内には3万以上の河川が存在しています。一体どれほどの河川で十分な対策が施されているのでしょうか。従来の堤防やダム、河川改修などでは対応できないほど、気象そのものが変わってしまったのか。いくつもの問題が絡み合って、複雑になっているように見えます。

<個人的見解>

自然災害は予想しにくく、突発的な現象です。だからといって、「避けられない」と諦めるのではなく、「避ける努力」が大切だと思います。例えば、居住地域の地形から予想される災害を調べ、避難経路や防災グッズを備える。引っ越しの際には金銭面や利便性に加えて、地形における災害の可能性についても検討する必要があります。

毎年のように繰り返す水害。地球温暖化が原因だと主張する専門家もいますが、本当にそれだけでしょうか。もしかしたら治水に関して欠陥があるのかもしれません。

台風が列島を襲う季節に入ります。同じ災害を繰り返さないために、一人ひとりが考えることは多いと思います。

参考記事:

5日付 読売新聞朝刊(大阪13版)1面「熊本大雨15人心肺停止」

6日付 読売新聞夕刊(大阪3版)1面「西日本豪雨2年 各地で追悼式」

8日付 読売新聞朝刊(大阪13版)1面「豪雨 九州全県の河川氾濫」