感染者急増中 国に説明求めます

新型コロナウイルスの新規感染者が増えています。東京では、100人を超える日が続いており、改めて緊張感を持って警戒している毎日です。

       東京都新型コロナウイルス新規感染者数の推移(日本経済新聞より)

一方で、西村康稔経済再生担当相らの会見を見ても、「4月の頃とは状況が違う」「病床はひっ迫していない」「予定通り、制限を緩和していく」という言葉ばかり。「3桁」という見過ごせない数字を前に、感染症予防の徹底を強く呼び掛けているようには感じられません。この状況に、違和感を覚えている人は少なくないと思います。

そもそも、病床が確保されていれば、増加する患者数に対し、過敏に反応しなくても良いのでしょうか。答えは、NOです。確かに、4月に比べると医療体制は整い、PCR検査も積極的に実施されるようになりました。ですが、ワクチンも特効薬もまだありません。予防法も治療法も確立されていないのです。今もなお、未知の恐ろしい病には変わりないはずです。だからこそ、新規感染者数の増加を受けて、警戒心を強めているのです。

しかし、政府はこのような国民の不安感を無視しているように思えてなりません。新型コロナウイルス感染症対策本部での配布資料には、次の一文がありました。

感染拡大の兆候や施設等におけるクラスターの発生があった場合、外出自粛の強化等を含めて、国と連携しながら、都道府県知事が速やかに協力を要請

現在の状況は、「感染拡大の兆候」には当たらないのでしょうか。「感染拡大」の定義を数値化していない以上、政府は言葉を尽くして説明すべきです。

予定通り、7月10日には上記の緩和がされる模様。(朝日新聞DIGITALより)

また、他県への不要不急の移動自粛を求める小池都知事に対し、「一律の自粛が必要だとは考えていない」と政府が指摘するなど足並みがそろっていません。このままでイベント開催の制限がさらに緩和される「ステップ3」に移行するのは、不安でなりません。

経済を動かさねばならないことは十分わかります。しかし、感染者急増も見過ごせる事実ではありません。政府からの納得できる説明を求めます。

 

参考記事

7日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)3面「検査拡大 増える経路不明」

同日付 産経新聞 「移動の一律自粛『必要ない』 政府が小池都知事に伝達」

7月3日 東京新聞 「休業要請解除機に拡大か 病床まだ余裕、高齢者に広がれば医療崩壊」

5月26日 朝日新聞DIGITAL「緊急事態、全国で解除 首都圏・北海道も 経済活動、段階的に拡大 再流行なお警戒」

日本経済新聞・読売新聞・朝日新聞  新型コロナウイルス関連記事

参考資料

新型コロナウイルス感染症対策本部HP「第36回(令和2年5月25日開催)資料」