近年、全国各地で道路や水道管といったインフラの老朽化に起因する事故が相次いでいます。
25年1月には埼玉県八潮市で大規模な道路陥没が発生し、転落したトラックの運転手が亡くなるという痛ましい事故が起きました。連日のように事故に関する報道がなされ、老朽化の危険を再認識する契機ともなりました。
筆者が住む札幌市でも、72年の冬季オリンピックに向けて急速に整備されたインフラが建設から50年以上経っており、修繕が急務となっています。
◯相次ぐ修繕工事、費用はどこから
札幌市内各地で、インフラの修繕工事が進められています。
筆者が通う北海道大学付近でも、道路の一部を通行止めにして、地中の配管を整備する工事が1年以上に渡って続いています。
かさむインフラ更新費用は市民の負担によって支えられています。
昨年12月、札幌市議会は下水道料金を平均で約23%値上げする料金改定案を可決しました。値上げは今年10月から適用される予定です。
◯雪国特有の事情も
世界でも有数の降雪量と氷点下の真冬日が続く厳しい気候もインフラにとって負担となっています。
融雪期の雪国では、路面にしみ込んだ雪解け水が凍結と融解を繰り返すことで舗装を損傷させ、その上を車が通ることで道路に多数の穴ぼこ(ポットホール)が発生します。
穴ぼこはパンクなどの車両損傷につながりかねず、早急な補修が求められます。
◯点検だけでは不十分
25年1月の八潮市での道路陥没事故を受け、全国で下水道の緊急点検が実施されました。ただ、インフラを守るためには点検をするだけでなく、適切な補修計画につなげる必要があります。
今年2月上旬、札幌市手稲区の住宅で爆発が起き、5人が死傷する事故が発生しました。原因はガス漏れと見られています。
住宅にガスを提供していた北ガスジェネックスは敷地内のガス管に腐食による穴があったと会見で発表しました。また、4年前の点検で腐食の兆候が見られたにも関わらず、同社の担当者の判断で補修措置がなされなかったことも明らかになりました。
現時点で穴と爆発との関連は明らかになっていませんが、点検が適切な修繕につながらなければならないことは論を俟たないでしょう。
高度経済成長期に整備されたインフラが次々と耐用年数を迎える中、老朽インフラの更新は待ったなしとなっています。
都市計画というと華やかな再開発計画ばかりに目が向きがちですが、日々の暮らしを守るためにも、今一度足元を見つめ直す必要があるでしょう。
参考記事:
2月18日付 朝日新聞朝刊25面(社会総合)「ガス管腐食の兆候、4年前点検後放置 爆発で5人死傷、北海道ガス会見」
日経電子版「住宅敷地内のガス管に穴 札幌の5人死傷爆発火災」(2026年2月17日)
2月25日付 読売新聞朝刊1・6・7面「ニッポンクライシス 第1部「インフラ」1⃣」
2025年12月12日付 朝日新聞朝刊25面(北海道総合)「下水道値上げ案、札幌市議会可決 /北海道」
2025年11月27日付 朝日新聞朝刊21面(北海道総合)「下水道料金23%、札幌市値上げへ 改正案提出、来年10月から /北海道」
参考資料

