TOKYO PROTOTYPEで見る、最先端技術が寄りそう自然

1月30日、虎ノ門ヒルズステーションタワーで開催された「TOKYO PROTOTYPE」を訪れました。本イベントは、「未来を創造するクリエイティブフェス」をテーマに、クリエイターや企業による実験的なプロダクトやアート、すなわち「プロトタイプ」が一堂に会する新たな祭典です。

近年、日本では多くのクリエイターやアーティスト、企業が、国際的な舞台や個展を通じて、未来を見据えた独創的な実験や試み、すなわち「プロトタイプ」を発信し続けています。今回はそうした人々が集い、新しいアイデアを示しながら、イベントそのものを実験空間へと変貌させる試みだといいます。ビル全体が展示空間となり、国籍を問わず多様な参加者が、クリエイターや研究者と熱心に議論を交わす姿が見られました。

筆者が特に興味を抱いたのは二つです。

 

一つ目は、株式会社ZOZO NEXTが出展していた「Alternative Crafts produced by ZOZO NEXT」です。そこでは、日本の伝統工芸と最先端技術の融合をテーマに始動したプロジェクト「呼色 Yobiiro」の作品が展示されていました。

都会の暮らしでは、人工物に囲まれ、四季の移ろいや自然の香りを五感で感じる機会が多くありません。そうした環境の中でも、日々の暮らしの中で季節の変化に目を向けるきっかけを生み出すことを目的としたプロダクトライン「ひととせ」シリーズは、特に印象的でした。

その一つである壁掛け時計には、温度によって色が変化する「温度応答性変色色素」が用いられ、季節の変化を視覚的に感じ取れる工夫が施されています。木製タイプでは、日本の四季が育む木目を「浮造り」によって際立たせ、アルミ製タイプでは、塗装後に削り出すことで山の等高線を思わせる起伏を表現しており、機能性とデザイン性を両立させていました。

しばしば対立的に語られがちな最先端技術と伝統工芸、そして自然。しかし本展示を通じて、それらはむしろ緩やかに共生へと向かい、相互に価値を高め合う段階へと入りつつあるのだと感じられました。

 

二つ目は、ホンダのロボティクス技術から生まれたハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」です。これは、TOKYO PROTOTYPEと連動して開催されていた攻殻機動隊展に関連して展示されていました。

UNI-ONE(1月30日、筆者撮影)

その姿は椅子型のロボットで、体重移動によって操作する仕組みです。実際に試乗して驚いたのは、身体のどの部分に重心をかけるかによって、驚くほど自然にその方向へと移動した点でした。体重のわずかな変化を感知して滑らかに動くため、足腰が不自由で歩行が困難な人でも、自立して移動できる可能性を秘めていると感じました。

このように、最先端技術によって生み出されるプロダクトは、単に利便性を追求するのではなく、季節や自然、生き物といった存在をいかに自然に受け入れ、共に生きるかという問いに温かく向き合っていました。その点において本イベントは、夢と未来への展望に満ちた空間でした。

 

参考資料

TOKYO PROTOTYPE 公式サイト

呼色 Yobiiro 公式サイト

UNI-ONE 公式サイト