大学が春休みに入って1ヶ月が経ちました。インスタグラムを見ると、海外へ旅立ち、現地で撮影した写真や動画を投稿する学生が増えています。筆者が海外を旅行したとき、日本のニュースに触れるのが難しくなった体験があります。今回は、海外での経験を中心に紹介します。
2017年にネパールへ渡航しましたが、スマートフォンを持っていなかったため、滞在中はニュースに接することなく過ごしていました。帰国する機内で配られた新聞で初めて大きなニュースを知りました。森友学園の理事長だった籠池夫妻が逮捕され、事態が一気に動いていたときで、一面のトップ記事だったことを覚えています。今となっては、機内で紙の新聞を目にすることがなくなり、寂しく思います。
ヨーロッパを訪れた昨年、Yahoo!ニュースを開こうとすると、「2022年4月6日(水)よりYahoo! JAPANは欧州経済領域(EEA)およびイギリスからご利用いただけなくなりました」との文章が表示され、閲覧できなくなっていました。
2025年3月19日(フランス・マルセイユにてスクリーンショット)
背景には、欧州におけるデータ保護や海外プラットフォーマーに対する規制のさらなる強化への懸念だと言われています。規制強化に伴って必要になりそうなサービスの再設計、当局との交渉や情報収集にあたる要員の人件費などが膨らむとみて、「採算が合わない」と判断したとされます。しかし、複数のメディア情報に容易にアクセスできるヤフーニュースを閲覧できないのは、少し不便でした。
海外でLINEニュースを見ると、文字は読むことができるものの、映像を見ることができない場面も何度かありました。日本向けのサービスで、全ての動作が保証されている訳ではないようです。
ロンドン・ヒースロー空港閉鎖を知らせるニュース
日本で見られる映像が閲覧できなかった
(2025年3月21日)
昨年3月には、トルコ・イスタンブールを訪れました。トルコを離れた直後の19日、当時のイスタンブール市長の身柄が汚職などの容疑で拘束されたとの報道に接しました。また、在イスタンブール日本国総領事館の発表によると、イスタンブール県知事は集会、デモ及び記者会見等の開催を禁止する決定を行いました。数日間にわたって市内の道路が封鎖されたほか、XやインスタグラムなどのSNSも接続できない状況が続きました。
日本で複数のSNSが同時に使えなくなる事態はこれまで起きたことはないため、驚きました。出国が1日ずれていたなら、筆者もニュースが見られない、日本にいる家族との連絡ができないという情報の途絶に陥っていたかもしれません。
最近では1月13日から約2週間にわたって、イラン当局がインターネットの遮断を行いました。現地では通信がゼロに近い状態が続いたといいます。アメリカのスペースX社が提供するスターリンク(衛星インターネットサービス)においても、妨害電波によって遮断されました。緊急時は、ネット環境が使用できなくなる場合があります。
そして2月28日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃し、中東情勢が緊迫化しています。現在、イランのインターネット接続は、平常の4%にまで落ち込んでいるとの報告もあります。イランには現在約200人の邦人がいますが、ネット環境がなければ、最新の情勢を知ることもできません。直接目にしたり、誰かに聞いたりする情報では限りがあります。ニュースは社会の動向だけでなく、危険やリスクも伝えてくれます。身の安全を確保する上でも、ニュースの存在は欠かせません。
海外を訪れた際は、普段見ているニュース媒体が閲覧できるのかどうか、まず確認することが大切です。
参考記事
日経電子版、2022年2月1日、「ヤフー、欧州でサービス提供中止 法令順守の採算合わず」
日経電子版、2026年1月14日、「イランのネット封鎖、異例の100時間超に スターリンクも初の遮断」
読売新聞、2026年2月28日、「イラン情勢巡り政府が国家安全保障会議開催…イラン滞在の邦人200人に国外退避を促す注意喚起」
テレビ朝日、2026年2月28日、「イランのネット接続 平時の4%に低下」
参考HP
外務省たびレジ、2025年03月19日、「イスタンブール市長の身柄拘束に伴うデモに対する注意喚起」
