「世界で一番美しい図書館」へ行ってみた 観光と暮らしの共存

12月下旬にオーストラリア・メルボルンに一人旅をしましたが、目的地の一つにビクトリア州立図書館がありました。旅をする前にSNSで情報収集をしていると「メルボルンで行くべきおすすめスポット」としてよく見かけ、気になっていました。1854年に設立された国内最古の図書館であり、「世界で一番美しい図書館」としても世界的に有名です。

公共施設で誰でも無料で入ることができます。1階にある放射線状に並んだ机はSNSでよく紹介されます。観光客と思われる人々が写真を撮ったり、机に座ったりしていました。筆者は1時間ほど日記を書くのに使いました。壁一面に並んだ棚から本を選んで読むこともできます。

ビクトリア州立図書館1階の机:2025年12月24日 筆者撮影

階段やエレベーターを利用して他の階に行くこともできます。上の階から放射線上に並んだ机を撮る方が映えるため観光客の多くが他の階へ移動していたのですが、窓や階段を利用して個人写真や動画を撮る人もいて、邪魔しないように移動のタイミングを図らなければいけないこともしばしばありました。

確かにこの図書館はSNSでも有名で行ってみたいなと思っていましたが、一つの図書館がここまで観光地化されていることには驚かされました。日本では図書館は静かにしなければいけない場所という認識があります。ビクトリア州立図書館も落ち着いた空気ではあったのですが、どうしてもカメラのシャッター音や観光客の話し声をなくすことはできていないようでした。

図書館として利用しているメルボルンの住民は、多くの観光客が訪れる場所で集中できるのか疑問に思われました。しばらく図書館を歩いていると、SNSでよく見かける放射線状の机以外にも勉強スペースが確保されていることを知りました。

図書館の奥の方にあった勉強スペース:2025年12月24日 筆者撮影

観光の目的となる1階のスペースで作業をしている人は数人ほどしか見かけませんでしたが、図書館の奥の方に進むとパソコンに向かったり本を読んだりしている人がいました。「Study」と書かれたスペースもあり、観光と暮らしの棲み分けができているように思えます。

SNSで見ていた光景を実際に見られたことには感動しました。それでも観光地化したことの問題点を感じる場面もありました。館内の情景が拡散されることでより多くの人に魅力が伝わるのかもしれませんが、図書館本来の目的で利用している人もいることを伝えたいものです。

参考資料

朝日新聞デジタル 「NENOi(東京)メルボルンでひらめいた店主が早稲田で夢見る、人と人をつなぐ本の場作り」https://book.asahi.com/article/14159602?iref=pc_ss_date_article

読売新聞電子版 「中心部だけでもこんなに遊べる!メルボルンの『街の今』を満喫」https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20180329-OKT8T72608/