ラッピング列車で認知度向上!SDGsトレイン

ブラジルで開かれた国連の気候変動会議(COP30)が22日(日本時間23日朝)、会期を延長した交渉の末に閉幕しました。「脱化石燃料」については、2年前のCOP28で各国が初めて合意したものの、COP30で具体的な進歩は見られなかったとされます。実際に、日本も2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロを掲げながらも、エネルギー基本計画では40年度時点で火力発電を3~4割残すなど、脱化石燃料への道のりはまだまだ遠いのが現状です。

 

そんな中、筆者は「SDGsトレイン」という華やかなラッピングがされた阪急電車に乗りました。大学に入ってから頻繁に阪急電車を利用するようになった筆者ですが、SDGsトレインを目にしたのは今回が始めてでした。電車におけるSDGsの取り組みが気になったので、調べてみることにしました。

 

【SDGsトレインとは】

阪急電鉄、阪神電車、東急電鉄が運行しているSDGsの普及啓発を目的とした電車のことで、阪急、阪神では2019年5月から、東急では20年9月から運行が始まりました。加えて24年4月からは阪急観光バス、東急バスの一部の路線で「SDGsバス」の運行も開始しています。

 

【特徴① SDGsを啓発する華やかなラッピング】  

実際に乗車すると、ドアの部分にはSDGsトレインを周知するステッカーが貼られていました。列車のラッピングに興味を持った筆者も、このステッカーを見て詳しく調べようと思い立ちました。

SDGsトレインを周知するステッカー

(2025年11月18日筆者撮影)

 

また、つり革や広告にも工夫がなされていました。つり革にはSDGsの17の項目が1本ずつラッピングされていました。

つり革にラッピングされたSDGsの17の目標

(2025年11月18日筆者撮影)

 

阪急電車は毎日多くの乗客が利用します。何気なく使うつり革にSDGsの目標をラッピングするだけでも、下車する頃には1つぐらい覚えてしまうような、そんな効果があるなと感じました。

 

【特徴② 再生可能エネルギーでの運行】

走行にかかる電力を実質的に100%再生可能エネルギーで賄っているのも特徴です。例えばSDGsトレイン「未来のゆめ・まち号」では、太陽光・水力・風力発電などに由来する電気を使用する「再エネECOプラン」を活用し、「美しい時代へ号」では、カーボン・オフセットやCO2フリー電力を活用しているそうです。

 

 

SDGsトレインの運行は来年3月末まで続きます。阪急、阪神、東急を利用する際は、見かけることもあるかもしれません。もし機会があれば車内のラッピングや広告にも注目してみると面白いですよ。

 

 

参考記事

 

朝日新聞,2025年11月24日「(時時刻刻)『脱化石燃料』交渉に限界 COP30閉幕」

 

朝日新聞2025年11月24日「(いちからわかる!)COP、何をする?」

 

参考サイト

阪急阪神ホールディングス株式会社「SDGsトレイン未来のゆめ・まち号」https://www.hankyu-hanshin.co.jp/yume-machi/sdgs-train/

 

講談社Cステーション「阪急×阪神×東急が協働! 再生可能エネルギー100%のラッピング列車『SDGs トレイン2020』で、SDGsを発信」https://cstation.kodansha.co.jp/sdgs/article/126

 

東急グループ「東と西で、未来に向かって走る『SDGsトレイン』」https://tokyugroup.jp/sdgs/train/