日韓国交正常化から60年 日本と韓国の観光の今

2025年で日韓国交正常化から60年を迎えました。1965年6月22日に「日本国と大韓民国との間の基本的関係に関する条約」が署名されました。同年の12月18日には条約への同意を表す批准書が交換され日韓両国の国交が正常化されました。他にも「日韓請求権協定」が結ばれ、無償3億ドル、有償2億ドルの資金提供を行い、のちに韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げることになります。

 

日本から韓国に渡航するときに観光、商用、語学研修など目的で90日以内の滞在の場合は無査証(ビザなし)で入国が可能です。しかし、2022年からビザなしで入国するためには「電子旅行許可制度(K-ETA)」への登録申請が必要となりました。韓国にビザなしで入国できる国の人々がK-ETAに登録し、旅行許可を受ける制度です。出発から72時間前に申請し、認証されると韓国を訪れることができます。この制度は一度登録すると3年間有効であり、17歳以下の人や65歳以上の人はこの制度から除外されます。

韓国の首都にあるソウル駅前の様子(8月26日、筆者撮影)

 

23年は「韓国訪問の年」に制定されており、観光産業活発化支援案として電子旅行許可証が一時免除されることになりました。同年4月1日から始まったこの取り組みは25年12月31日まで続き、日本やアメリカ、イギリスなどの22の国は登録申請せずに入国できます。

 

日本政府観光局によると韓国から日本への渡航者は年々増加しており24年には過去最多となる約881万人が訪日しています。これは韓国全体の旅行者の約24%にあたります。日本から韓国への旅行者も約322万人となり24年は日韓の往来が1200万人を超えました。25年6月には日韓の一部の空港で、過去1年以内に相手国に訪問した人は優先的に通過できる優先レーンが1か月間限定で設けられました。

 

日本では日韓国交正常化60周年を記念したイベントが行われ、記念切手なども発売されました。日本はK-POPやアイドル、グルメなど韓国からさまざまな影響を受けています。一方で両国の間には歴史問題など難しい課題が横たわっている現実もあります。こうした中での今後の日韓関係にも引き続き注目していきます。

日韓国交正常化60周年記念切手

 

参考文献:

2025年5月21日付 日経電子版 日韓の専用レーン導入、入国審査円滑に 羽田・福岡など4空港

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA211S20R20C25A5000000/

2025年5月21日付 読売新聞オンライン 日韓4空港に入国審査の優先レーン、国交正常化60年記念し6月限定…日本の空港では初設置

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250521-OYT1T50163/

2025年6月22日付 朝日新聞デジタル (社説)日韓国交正常化60年 理解と努力で共に築く未来

https://www.asahi.com/articles/DA3S16240716.html

 

参考資料:

外務省     日韓国交正常化60周年特設サイト

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/index.html

国土交通省 訪日外国人旅行者数・出国日本人数

https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shutsunyukokushasu.html