ICカード使えないローカル線 利便性向上へ

先日、宮崎県を訪れ、JR日南線を利用しました。この日南線は

“宮崎市の南宮崎から鹿児島県志布志市の志布志駅までを結ぶ、全長88.9kmの単線の路線で、28の駅があります。日南線が開業したのは1963年(昭和38年)5月8日で、令和5年度に全線開通60周年を迎えました。”(串間市)

日南線の車内は開通62年を感じさせる昔ながらの作りになっています。先頭車両には運賃箱があり、降りる時に乗車時に発行された整理券とともに現金を入れます。バスの利用に近い形で、無人駅や改札業務の無い駅が多い日南線ならではといえます。

ローカル線ならではの便数の少なさには閉口させられます。実際に今回、私が青島から宮崎空港に向かおうとしたところ、電車やバスの便の少なさに困惑しました。電車を利用すると乗り換えに間に合わないため、結局は一時間以上バスを待ってギリギリでの空港到着となりました。ローカル線利用には事前の計画がきわめて重要だと改めて思いました。

ジャイアンツデザインのJR日南線木花駅(筆者撮影)

そんな日南線ですが、少しずつ利便性向上への選択肢が増えつつあるようです。2024年にはQRコード付きの片道デジタル切符の発売が始まりました。また、「JR&宮交バス 日南1デーフリーパス」に代表される乗り放題券は日南線などの利用方法の複雑な交通機関に対処する一番の選択肢かもしれません。

さらに、今年度中に宮崎市の青島、木花を含む県内7駅で交通系ICカードの利用が可能となる見通しです。23年2月にWBC日本代表が合宿した際には最寄り駅の木花駅に利用者が殺到しました。日南線の乗降システムに混乱した人も多く、臨時の駅員が精算に当たったそうです。また、国内外から観光客が訪れる青島もICカードが導入されることは望ましいでしょう。

JR日南線青島駅(筆者撮影)

自然も食べ物も魅力で溢れている宮崎県。交通が不便なために、せっかくの食や観光をあきらめるのはもったいない。日南線全線のICカード導入を願いつつ、地方観光の事前計画の重要性も胸にとどめておきたいものです。

 

参考記事:

2024年6月4日付 朝日新聞デジタル ICカード利用、来年度中にも新たにJR7駅 県などが予算化

https://www.asahi.com/articles/ASS6345D6S63TNAB003M.html

 

参考資料:

九州旅客鉄道株式会社、日本信号株式会社 乗降駅を選択してデジタル乗車券を購入・利用できるサービスの実証実験エリアを宮崎県内に拡大します

240124_dijital_miyazaki.pdf

宮崎県 鉄道駅におけるICカード(SUGOCA)の利用エリア拡大を検討中

https://www.pref.miyazaki.lg.jp/sogokotsu/press/2024/05/20240513135215.html

九州がまるっとつながる‐九州MaaS 「JR&宮交バス 日南1デーフリーパス」のチケット情報

https://kyushu-maas.jp/ticket/459

宮崎県串間市 JR日南線で出かけよう!!

https://www.city.kushima.lg.jp/main/city/tiitki/cat2585/post-257.html

 

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