9月13日から21日の9日間で61万9288人が来場した東京世界陸上。日本での開催は2007 年の大阪大会以来18 年ぶり、東京では1991年以来、34 年ぶりとなりました。
陸上競技の経験はないものの幼い頃からスポーツが大好きだった筆者は、せっかくの機会にとチケットを購入し、会場である国立競技場に足を運ぶことにしました。
筆者が観戦したのは18日の「DAY6 イブニングセッション」。イブニングセッションは9日間のうち6日間が完売となる大盛況ぶり。18日の来場者数は同日21時時点で57,327人でした。競技にしのぎを削り、ゴールラインを駆け抜けていく選手たちを前にして、自然と立ち上がり、隣の人たちとハイタッチして喜びを分かち合う光景も多くみられました。満員の国立競技場に響き渡る歓声と選手たちのパフォーマンスに圧倒され、会場が一体となってゴールの瞬間を共有する様子に生でしか見られない感動がありました。
世界中を熱気に包んだ世界陸上ですが、今回はその起源について調べてみました。
世界陸上の始まりは1983年までさかのぼります。1980年のモスクワ五輪は、ソ連のアフガニスタン侵攻を講義する米国や日本など多くの国がボイコットしました。その結果、メダル候補とされていた有力選手が代表に内定しながらも出場の機会を失う事態が発生しました。これを機に、世界中の国が参加できる陸上競技の国際大会を開催しようという機運が高まり、世界陸上競技選手権大会の新設が決定します。そして83年にフィンランドのヘルシンキで第1回の大会が開催されることになりました。当時は4年に1度の開催で、現在のように2年に1度となったのは1993年のドイツ・シュツットガルト大会からだとされています。
国籍を超えて応援する観客、お互いを称え合う選手たちの姿に、改めてスポーツの持つ力を感じました。その一方、近年ではアスリートへの誹謗中傷も問題視されています。今年4月にはアスリートに対するSNSなどでの誹謗中傷への対策の強化を盛り込んだスポーツ基本法改正案が固まるなど、実態に即した対策の整備が急がれています。私たち一人ひとりがマナーを守ったスポーツ観戦やSNS利用に努め、選手たちが安心して競技に打ち込めるような環境づくりに貢献していきたいものです。
参考資料
月刊陸上競技Online https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/165101
参考記事
読売新聞オンライン 「『アスリートへの誹謗中傷』対策強化、スポーツ基本法改正へ…盗撮・体罰対策とともに国と自治体の責務に」
https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20250417-OYT1T50183/
2025年9月19日,朝日新聞「世界陸上、東京沸騰 日本勢健闘、チケット売り上げも順調」
2025年9月23日,朝日新聞「大声援をありがとう 東京世界陸上」
2025年9月26日,朝日新聞「(自由自在)フルスタジアムの熱気、つないで」