この図は筆者のインスタグラムの利用時間を示したものです。木曜日にはなんと2時間24分も利用していました。バスや電車での移動時間、あるいは家での休憩時間など、特に何も考えずにスクロールし続けてしまいます。気づけば数十分、時には数時間が経過していることも少なくありません。特に夏休みのように自由な時間が増えると、スマートフォンを見る時間も比例して長くなってしまいます。
こうした悩みは筆者だけではなく、多くの人に共通するものでしょう。現代社会において、SNSは人々の生活に深く浸透しています。友人との連絡や趣味の情報収集、ニュースの閲覧まで、スマホ一つで多様な活動ができる便利さは確かに魅力的です。しかし同時に、その便利さが「気づいたら貴重な時間を浪費していた」という事態を招いてしまうのです。
読売新聞によると、愛知県豊明市ではスマホやタブレット端末の過剰使用を防ぐため、利用時間の目安を一日2時間以内とする条例が成立しました。深夜までの仕事や勉強を除いた余暇での使用において、2時間を上限の目安としたのです。さらに、子どもについては利用時間帯の制限も設けられました。小学生以下は午後9時まで、中学生以上は午後10時までという目安が示され、市や学校にも連携が求められています。もちろん、これは罰則を伴うものではなく、あくまで意識づけのための取り組みです。
条例が実際にどの程度の効果を持つかは未知数です。罰則がない以上、強制力はありません。しかし「2時間以内」という数字が示され、自分自身の行動を振り返るきっかけになる点は評価できるでしょう。筆者自身もスマホをいじっているうちに、深夜1時や2時になっていることがよくあります。翌朝の起床がつらくなり、生活リズムを崩してしまうのは明らかです。
スマホは現代社会において欠かせない道具です。日常生活を支える存在であり、完全に排除することは現実的ではありません。しかし、長時間の利用が心身に悪影響を及ぼすことも事実です。時間を奪われることで、本来なら読書や運動、対面での交流に使えるはずの時間が失われてしまいます。
豊明市の条例は、強制ではなく「目安」として提示された点に意味があります。人々が自らの生活習慣を見直し、子どもたちには適切な利用習慣を身につけてもらう。そのような意識改革を促すきっかけとして大きな役割を果たすのではないでしょうか。スマホの便利さと危険性を理解し、バランスを保つことこそが私たちに求められています。
<参考記事>
『読売新聞』9月23日朝刊付1面「「スマホ2時間」条例成立 全国初過剰使用防ぐ狙い」