春休みはまもなく終わり、多くの大学生は履修登録をしながら新学期の準備を進めていると思います。しかし、長い間学校を離れていたがゆえに人間関係や学習面でやりにくさを感じ、登校をためらってしまう人が多いのも4月です。そんな中、新たなカウンセリング手法として「アニメ療法」が注目されています。
これはアニメのキャラクターが悩みなど聞き、助言するという方法で昨年の10月から横浜市立大と大日本印刷が共同で実証実験を始めました。考案者は幼いころから日本のアニメが大好きだったというイタリア人の精神科医パント―・フランチェスコさん。日本のアニメキャラは葛藤が細かく描かれているため共感性が高く、感情移入がしやすく、カウンセリングの素材として適していると感じたといいます。
この実証実験ではオリジナルキャラ6人の中から1人を選び対話をします。臨床心理士などの資格を持つ人がボイスチェンジャーを使ってアニメキャラになりきり、相談に乗ります。従来のカウンセリングとの一番大きな違いは、カウンセラー側も自らの心情を伝えられる点です。どのキャラも葛藤や苦悩を抱えており、相談する側に一方的に悩みを話してもらうだけでなく、キャラの悩みを一緒に考えるというプロセスまで踏み込むことができます。互いの思いを理解し合うことで信頼感が生まれ、緊張することなく相談できる環境を整えることが狙いなのです。
筆者の大学では毎月、学外のカウンセラーが訪れ、相談に乗ってもらうことができます。しかし、年齢差のある大人が相手のため、少しハードルが高い面もあります。友だちの中にはChatGPTなどのAIに相談するという人もおり、匿名性が感情を吐き出しやすくしていると感じます。人間とバーチャルの融合ともとれるアニメ療法は今後、若者の心の支えになっていくのではないでしょうか。