今日2月22日は「猫の日」。癒やしを求めて猫を家族として迎える家庭は増え続け、SNSを開けば猫の愛らしい仕草の動画であふれています。ところで、皆さんは猫が動かす経済の規模をご存知でしょうか。関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、猫に関連する市場の経済効果「ネコノミクス」は2026年時点で約3兆円に達します。これは昨年開催された大阪・関西万博の規模に匹敵する数字です。空前の猫ブームがどのような経済活動をもたらしているのか。猫をめぐる各業界の動きに注目します。
まず小売の領域では、猫をモチーフにした商品が広く展開されています。猫を撫でたときの手触りを再現した毛布やクッションは、猫が飼えない人でも癒やされたいというニーズを掴み、通販サイトで人気を集めています。猫をモチーフにした食品や雑貨も各社が競って展開しており、お菓子、文具、食器など種類は多岐に渡ります。さらに近年注目されているのがペットテックです。スマートフォンと連動した自動給餌機や、自動清掃機能つきのトイレなど、猫の快適さと飼い主の利便性を両立させる製品が続々と登場しています。猫を家族として大切にする意識の広がりが、品質や機能にこだわった商品への需要を支えています。
「猫がいる場所に人が集まる」という現象も、経済を動かす大きな力になっています。全国各地には看板猫が迎えてくれる旅館や駅があり、その猫に会うため足を運ぶファンは少なくありません。また宮城県の田代島や愛媛県の青島のような「猫島」は、SNSでの拡散をきっかけに国内外から観光客を集め、離島に新たな人の流れを生み出しました。
都市部では猫カフェが定着し、外国人旅行者にとっても定番の体験スポットになっています。さらに、招き猫発祥の地とされる東京・世田谷の豪徳寺では、奉納された無数の招き猫が並ぶ光景が話題を呼び、参拝客が急増しました。本物の猫も、招き猫というシンボルも、等しく人を引き寄せる点に猫の不思議な魅力を感じます。
もう一つ、猫が主役となって活躍するのがキャラクタービジネスです。世界中で愛されるハローキティやドラえもんは、日本を代表するキャラクターですが、どちらも猫をモデルにしています。スマートフォンアプリでも、『ねこあつめ』や『にゃんこ大戦争』といったゲームが大ヒットを記録しました。最近では、猫をモデルにしたキャラクターがコンビニスイーツや日用品とコラボすることも当たり前になりました。猫は実在の動物としてだけでなく、キャラクターとしても絶大な経済的価値を持っていることがわかります。
このように猫は、かわいいペットという枠を超え、日本経済を動かすキープレイヤーになったと言えます。では、私たちが大きな恩恵を受ける一方で、猫たち自身は今どのような状況に置かれているのでしょうか。次回は、猫を取り巻く社会課題と、その解決に向けた動きを紹介します。
参考記事:
2月21日付 朝日新聞朝刊(東京13版)8面(経済・総合)「2月22日は猫の日 ネコノミクス、すくすく成長 経済効果試算3兆円『万博の8割』」
日経電子版「『組織のイヌ』からネコになれ AI時代こそ脱・指示待ち」,2026年2月22日
読売新聞オンライン「カニそっくりのかまぼこ『ほぼカニ』、猫用が登場…健康成分入り『シニア期の猫ちゃんにおいしく食べてもらえたら』」,2026年2月21日
参考資料:
大学プレスセンター「◆宮本勝浩 関西大学名誉教授が推定◆2026年のネコノミクス(ネコの経済効果)は、約2兆9,488億円」,2026年2月12日
日経電子版「飼えないあなたに『猫触感』 毛布や綿あめ、毛並み・体温を全力再現」,2026年2月22日
OnTrip JAL「日本の猫島9選!猫好きの聖地で“最幸”の癒し旅」,2022年10月18日
東京都多文化共生ポータルサイト「福を呼ぶ招き猫の寺 -世田谷区 豪徳寺-」,2021年4月22日
