京都駅から高速道路を使い車で約2時間。日本三景のひとつである天橋立を訪れました。日本三景は京都府の天橋立に加え、宮城県の松島、広島県の宮島という名高い景勝地を指します。その由来は、江戸時代初期に全国を行脚した儒学者の林春斎の「日本国事跡考」にあります。彼はこの3つの地を「三処奇観」、すなわち『卓越した3つの景観』と表現したことから日本三景として親しまれるようになりました。林春斎の生まれた1618年7月21日にちなみ、7月21日は「日本三景の日」とされています。
日本三景碑
(2025年11月4日筆者撮影)
まず筆者は「天橋立ビューランド」に足を運びました。リフト、もしくはゴンドラで頂上を目指します。リフトに乗ること自体、小学生以来、約8年ぶりだったため、非日常体験に気分が高まりました。
天橋立ビューランド
(2025年11月4日筆者撮影)
頂上に到着すると目の前に大パノラマが広がっていました。木々は赤く色づき始め、秋の訪れを感じることが出来ました。
天橋立
(2025年11月4日筆者撮影)
天橋立と言えば「股のぞき」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。天橋立に背を向けて立ち、腰を曲げて股の間から景色を眺める股のぞきでは、いつもの景色とは異なり、天橋立が天に舞い上がる龍のように見えることから『飛龍観』と呼ばれています。2016年には「股のぞき効果」を実験で示した立命館大学の東山篤規教授と大阪大学の足立浩平教授が「知覚賞」を受賞し、ユニークな眺望スタイルに世界中から注目が集まりました。実際、筆者が訪れた際も多くの外国人観光客が股のぞきして写真を撮影している様子が見られました。
股のぞき台
(2025年11月4日筆者撮影)
天橋立ビューランドには観覧車やスカイサイクル、メリーゴーランドやブランコもあり、子どもから大人まで楽しめる要素が満載でした。
観覧車やメリーゴーランド
(2025年11月4日筆者撮影)
頂上からの景観を楽しんだ後は、実際に天橋立を散策してみました。美しい松に見とれていると「日本の道100選」の1つとして顕彰されたとの看板を見つけました。府道「天の橋立線」は天橋立の中を通る道路であり、周囲の景観との調和を図るため、砂利道のまま管理されているとのことです。
「日本の道100選」の記念碑
(2025年11月4日筆者撮影)
散策する中で驚いたのは、多くの観光客が訪れているにもかかわらず、ごみ一つ落ちておらず、綺麗に整備されていることです。
美しく整備された海岸や松の木々
(2025年11月4日筆者撮影)
設置されていた看板には、松並木景観を守るため、
・広葉樹の伐採
・必要に応じたマツの伐採
・松枯れ対策
・腐植層の除去とマツの補植
・ボランティアによる松葉、ごみ回収
の取り組みが続いていることが紹介されていました。
松並木景観を守るための取り組みを紹介した看板
(2025年11月4日筆者撮影)
美しい景観が守られているのは多くのボランティア、スタッフの取り組みがあってこそなのだと実感しました。
四季に合わせて美しい姿を見せてくれる天橋立。冬の特に寒い朝には松の葉にまで雪が積もり、「幻雪の飛龍観」とも称される絶景が見られます。この冬は雪の積もった天橋立に足を運びたいという新たな旅の予定が出来ました。
参考新聞
2016年9月30日付 朝日新聞朝刊 『(ひと)東山篤規さん 「股のぞき」の実験でイグ・ノーベル賞を受賞した』
2017年1月11日付け 読売新聞朝刊 『「股のぞき」距離感変わり錯覚 イグ・ノーベル賞 東山教授=和歌山』
参考サイト
「日本三景天橋立 股のぞき」https://www.amanohashidate.jp/matanozoki/
Re:in Kyoto Miyazu「天橋立#1 知っているようで知らない天橋立の基礎知識」https://www.city.miyazu.kyoto.jp/site/citypro/4509.html









