今年は特に暑さが続いていましたが、出歩くのにちょうど良い気候になってきました。筆者は散歩が趣味で、10月に入ってからは夕方以降に近所を歩いています。
先日は大学の友人が誘ってくれて、「大文字山」として知られる如意ヶ嶽(にょいがたけ)(京都市左京区)に登ってきました。京都にいる間にしかできないことをしたいと、ほんの思いつきで計画したことでした。ネットで調べてみると「初心者でも可能」「大人であれば1時間ほどで登ることができる」と書かれていました。事前準備をするに越したことはないですが、ネットの意見を鵜呑みしてしまい、特に構えることもなく当日を迎えました。
友人も筆者も動きやすい格好ではあったのですが、登山用の道具は用意していませんでした。山道では運動着の人もいれば、登山用の靴やリュックサックを身につけている人もいました。中には最近ニュースでよく見る熊対策の鈴をつけている人もいます。
今回は初心者にもおすすめと紹介されていた銀閣寺道ルートを使って登りました。このルートは比較的整備されている印象です。途中で滑りそうになることはなく、階段を登る場面が多かったです。その日の気温は23℃前後だったのですが、森林の中ということもあり最初の方は涼しく感じていました。しかしひたすら階段を登っていくとだんだんと汗をかいてきます。午前10時半に登り始め、毎年8月16日の五山送り火で「大」の字を描くために設けられた点火場所にあたる火床(標高約330メートル)には午前11時40分ごろに到着しました。
2025年10月17日 筆者撮影
ここでしばらく休んでいると、地元の方が声をかけてくれました。近所に住んでいるそうで、如意ヶ嶽によく登っているそうです。京都の歴史にも詳しく、景色を眺めながらお寺の宗派のことや火床の数、美味しいお店、ここで出会った留学生のことなど教えてもらいました。1時間ほど話したあと、これから山頂を目指すと伝えると一緒に向かってくれることになりました。筆者は山のことをほとんど知らないまま来てしまったので、ネットに書いてある道しかわかりませんでした。しかし、山に詳しい方だったのでいつも利用している裏ルートを教えてもらいました。
友人や山で出会った方は日頃から運動をしているためか、息が上がっているところを見ませんでした。一方、筆者はすぐに息切れになり体力不足を痛感しました。また山では普段よりも低血糖に備えることが必要です。そう簡単には助けを求められる状況ではないので、携帯しやすいラムネなど常備しておくことがお薦めだそうです。3人で話しながら登ったので1時間半ほどかかりましたが、無事山頂(465メートル)にたどり着くことができました。
2025年10月17日 筆者撮影
山頂では手作りのサンドウィッチをご馳走になり、またしばらくお話ししていました。
普段の休日は課題に追われたりアルバイトをしたり、長時間寝てしまったりすることもあるのですが、自然に触れ、初めて会った人と交流することでリフレッシュできたと思っています。京都ならではの経験ができて大満足な1日になりました。山に登るのはなかなか苦しく感じる場面もありましたが、すれ違う人が「こんにちは」や「もう少しですよ」など声をかけてくれることが多く、励みになっていました。
いま自分が知らない京都がまだまだあることを身にしみて感じています。大学卒業まで半年を切りましたが、残りの日々でも新たなことに挑戦してみたいです。
参考資料
京都市「文化史30 大文字五山の送り火-京都市」https://www2.city.kyoto.lg.jp/somu/rekishi/fm/nenpyou/htmlsheet/bunka30.html
京都観光Navi 「京都五山送り火『どんな行事?』」https://ja.kyoto.travel/event/major/okuribi/