今年4月から自動車学校に通い始め、10月上旬に卒業検定に合格しました。大学に入学したての頃は免許を取ろうと思っていませんでした。自分が自動車を運転することで事故の加害者になってしまわないか不安に感じていたから、そして京都で下宿生活をしているため車を運転することが身近ではなかったからです。しかし、社会人になってからの生活のことを考えると時間がある学生のうちに免許を取得しておこうと思い立ち、下宿先から通える自動車学校で教習を受けていました。
学科教習を受け始めてからは、こんなにも覚えなければならないことがあるのかと驚き、免許を取得することは容易ではないのだと実感しました。自動車は行動範囲が広がり便利に思える反面、一瞬の判断ミスによって人の命を奪ってしまいます。だからこそ確実な知識が必要になり、瞬時に的確な判断ができるドライバーになるための練習には時間を要するものなのだと思います。
普段目にするニュースでも交通関係のものを気にするようになりました。特に目につくようになったのは、ながら運転です。一般的には、運転中に携帯電話を使う印象が強いですが、スマートフォンの映像やカーナビゲーションシステムの画面を注視する行為も該当します。ながら運転は道路交通法(71条5号の5)で禁止され、処罰の対象になります。1999年に禁止規定が導入され、近年の携帯電話にからむ事故の増加傾向を踏まえ、2019年12月から罰則が強化されています。
ながら運転による死亡・重傷事故が今年1〜6月(上半期)に全国で68件あり、統計を取り始めた2007年以降で最多だったことが報告されています。運転中に通知音や着信音が鳴り、気になってスマホを見てしまうという場面もあるかもしれませんが、何気ない行為が大きな事故に繋がる恐れがあります。これ以外にも飲酒や寝不足、体調不良などが事故を引き起こします。運転に慣れてくると「これくらいは大丈夫」と過信してしまうことがあるのかもしれません。しかし、自分が運転できる状態なのか冷静に判断し、少しでも難しいと感じた場合には他の手段を選択することを忘れないでいたいです。
ハンドルを握るようになってからは、歩いているときにも意識して標識を見るようになりました。一方通行や一時停止の標識が設置されている場所では運転手はもちろん、歩行者や自転車に乗っている人も周囲に気をつけることでより安全な状況が守られると思います。さらに、「ながら」はドライバーだけではなく、歩行者も気をつける必要があります。路上教習を始めてから横断歩道を渡る歩行者を注視するようになったのですが、スマホを操作しながら歩いている人がいかに多いのかを実感しました。京都の市中でも観光地周辺では道を調べるためなのか、スマホを見ながら歩いている人が多かったです。
自動車学校を卒業したので、学科試験に合格すれば今後は一人で車に乗ることができます。約半年間の教習を経て、ドライバーとしての責任やハンドルを握ることの重みを感じています。最初は漠然と恐れていた運転ですが、ルールを守れば楽しいものだとも思えるようになりました。最後の教習では教官が「運転する楽しさを忘れないでいてほしい」と言っていたのが印象的でした。ドライバーからの視点、歩行者からの視点、両方を理解できたので、お互いに配慮した安全な交通態度を守っていきます。
参考資料
朝日新聞デジタル 「上半期のながら運転、死亡・重傷事故が最多 外国人運転者の事故増加」https://digital.asahi.com/articles/AST7Y2W3GT7YUTIL017M.html?iref=pc_ss_date_article
日本大百科全書 「ながら運転」https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=1001000330583