昨日の朝日新聞の夕刊に、東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムをあしらったマンホールふたを都内数カ所に配置するという記事がありました。
マンホールといえば、地元にゆかりのあるキャラクターを描いたふたを用意し、集客材料の一つとして利用している自治体が増えています。私の住む東京・武蔵野市でキャラクターものは見かけませんが、もし出先で好きな絵柄に出会ったら、思わず写真を撮ってしまいそうです。
この記事を読み、そもそもマンホールとはどんな役割を持っているのか気になりました。
小学生の時に、下水道について勉強した記憶はありますが、私を含め、忘れている人が多いのではないでしょうか。
マンホールを説明する前に、下水道について押さえておきましょう。下水道は、生活排水などの汚水や雨水などの汚れた水を集め、処理する役割の一端を担っています。公衆衛生を確保するだけでなく、街を浸水から守ってもいるわけです。
そんな下水道管の施設の点検や清掃、修理のために人間が地上から入ることができるよう作られたものが、マンホールです。
調べてみると、それだけではありませんでした。
最近では、水害リスクを減らすために、IoT(モノのインターネット)を活用した水位予測システムを取り付け、リアルタイムで下水道管内の水位をチェックする仕事もこなしています。
そのシステムを開発している明電社は、地域住民や地下街の店舗などに情報を届け、浸水対策に活用することを目的としていると、明電舎のホームページに記載されていました。このシステムの導入に合わせ、AIを使って1時間先の水位も予測しているそうです。
実際にマンホールに水位予測システムを導入しているのだろうかと、地元武蔵野市の下水道課に問い合わせてみました。すると「武蔵野市では、浸水の可能性があるような地域に試験的に導入している」という回答を得ることができました。国主導の取り組みのようです。
近年頻発している水害では、想定外のことばかり起きています。このシステムが各地に導入されることで、水害の被害を少しでも抑えられるのではないでしょうか。
下水道は、ガスや電気と同じくらい、私たちの生活に欠かすことができないものです。注目して当然の存在だと思います。私もこれからはマンホールウオッチャーを心がけます。
参考記事:
21日付 朝日新聞(東京4版)9面「オリパラ盛り上げ 下から目線」