無意識だけど悪質な自転車ドライバー

警察庁が6日に公表した交通事故死亡者数によると、昨年全国で3,215人が交通事故で亡くなりました。対前年比で317人の減少となり、3年連続で過去最少を記録しています。

一方、65歳以上の高齢者が占める割合は55%と過半数ののぼり、その絶対数は減っているものの全体に占める割合は過去2番目に高くなっています。

日ごろから車を運転する筆者にしてみれば、街中には至る所に交通事故のリスクが潜んでいるように思えます。例えば住宅街。朝夕の通勤・通学の時間帯には急いでいる人が多く、いきなり角から飛び出してくる人もいます。また、公園や学校の近くでは子供が悪気なく夢中で走り回り、迫りくる車に気が付かずに道路へ飛び出してしまうことも少なくありません。

しかし、一番厄介なのは自転車であると思います。自動車であれば必ず道路の左側を走行し、当然ながら歩道を走ったりすることは許されません。しかし、本来は「車」の一種である自転車は運転している人の裁量が大きく働いています。例えば、歩道を平気で自転車で走る人。歩いている人の隙間を縫うように悠々自適に走る人がいます。また、次に目に付くのが逆走。本来は自動車に倣い左側を走行するのが原則なはずですが、なぜか道路の右側を走る人も。

巡回中の警察官もいちいち注意しないので気づかない人も多いのかもしれませんが、警察庁はわかりやすく事例を紹介しており、例えば自転車の車道走行に関するルールを破れば道路交通法第17条等に基づき3月以下の懲役または5万円以下の罰金となる可能性をホームページで例示しています。

皆さんの中にも、知らず知らずのうちに自転車の危険な運転をしている人がいるかもしれません。かくいう筆者もそちら側でした。しかし、転機になったのは高校生のころ。自転車で学校に通う途中、歩道の、しかも右側を我が物顔で走っていた筆者は交差点で出合い頭に右から出てきた自転車と衝突。自転車は大きく壊れ廃車に。それだけでなく右親指の骨にひびが入るけがを負いました。

幸い相手の方にはけがはなく、相手も一旦停止を守らなかったということで同じ過失になりましたが、自分でルール違反の行動をしておいて誰か他人を傷つけてしまうことは絶対にあってはならないことです。この事故を機に交通ルールはしっかり守ろうと心に決めて今日に至ります。

誰もが簡単に運転でき、だからこそ肝心な基本のルールについて学ぶ機会のないままルール違反が当たり前になっている気がします。最近は危険なあおり運転や高齢者ドライバーによる事故など自動車側の過失による事故・事件ばかりがクローズアップされていますが、無意識にしている自転車の悪質なルール違反こそ、多くの人に当てはまる身近な危険性です。

当たり前のことを当たり前に守ることで誰しもが快適に移動できるはずです。「

「そんな細かいこと」と思うような人に、何の落ち度もない人がけがを負わされてはなりません。

参考記事:

7日付 読売新聞朝刊27面(社会)「交通死 過去最少3215人」

参考資料:

警察庁ホームページ https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/info.html