生きにくい、とも感じるキャッシュレス社会

昨日の読売新聞夕刊に「消費税ポイント還元 4000億円追加」という記事が掲載されていました。想定を上回る利用により予算では足りなくなったためです。キャッシュレスポイント還元は、今年10月の消費増税とともに、始められました。増税になっても、お金が戻ってくる仕組みがあるなら大型の買い物を考える人も多いのでしょう。予算が足りなくなるのも当然です。

急速に浸透しているキャッシュレス。ポイント還元は来年の6月までです。今や、身近なコンビニ、百貨店、大学の生協でも還元制度を利用できます。筆者の通う生協には旅行センターがあり、よく使っています。旅行の支払いのうち5%分が返ってくるというのはとてもありがたいことです。

嬉しい反面、この仕組みは、ネットやスマホを使いこなせない人には損になるのではと感じます。若い世代の多くは、学校でPCを使う時間があり、働き世代は仕事で利用していても、そうでない人たちは違います。使いこなせる人とそれ以外では大きな差が生じるのはいかがなものかと思うのです。

以前、アルバイト先で知り合った60代の女性は、「消費増税もキャッシュレスもわからない。いまだに折り畳み式のケータイを使っている位だしついていけない。だんだん生きにくい世の中になるのか」と話していました。

社会はさまざまな面で急速に変わっています。暮らしにくくなるのはキャッシュレスに限ったことではありません。旅行で思い出しましたが、旅行会社の一部などでは相談料を取り始めています。昔からのやり方をしていては、通常の料金に加えてさらにお金を払わされかねません。現代社会の仕組みを知っていないと、損をするのです。

キャッシュレス還元サービスは、増税による消費の落ち込みを抑えるためのものです。そのために終わりがありますが、デジタルによる急速な暮らしの変化はますます加速していくことでしょう。

参考記事:
11月29日 読売新聞夕刊(3版)1面(総合)「消費税ポイント還元 4000億円追加」