「彼氏に性病をうつされた」。
落ち込んでいた友人は筆者にそう答えた。
女友達のA氏は、長続きする体調不良を不審に思い、病院へ行ったところ、性病であることが判明したそうである。感染源が彼氏以外に考えられなかったことから、すぐさま問い詰めると、数ヶ月前に酔った勢いで風俗に行ったことを自白したそうだ。
一年以上付き合ってきた彼氏が一度だけだが風俗に行き、その上、性病までもらって自分にうつした――。A氏はショックのあまり、その現実を受け入れられず、心身喪失状態が数日に渡り続いたのであった。
10月16日付朝日新聞夕刊「オトナの保健室」では、女性が訴える「性交痛」について男性二人が語る記事が掲載されていた。この記事では、男性の「鈍感さ」が語られており、私たち男性にとって性との向き合い方に考えされられる記事であった。
記事に取り上げられていた「性交痛」に限らず、A氏の彼氏の様に男性は性に対してあまりにも無神経であるように思う。
明らかに性病の症状が出てきるのに検診に行かない、風俗での経験のみで自分は女性を満足させられると勘違いしている、など呆れた友人にもいる。
「オトナの保健室」では、「男性はセックスをプライドの底上げや幻想の押しつけに利用している面もあるのでは」と指摘されている。確かに、一人は経験人数を自らのステータスにしているし、もう一人は風俗という一種の幻想の場での体験をリアルだと考えている。
性行為は相手との関係性なしに成り立たず、「プライドの底上げ」や「幻想の押しつけ」のためのものではない。そんな常識に一度立ち返り、私たち男子は喜びをお互いに分かち合える性を追求していく必要があるのではないか。
参考記事:
16日付 朝日新聞夕刊(3版)3面(社会・総合)「女子組 オトナの保健室 「痛い」知った男性は」