約1年後に迫った東京オリンピック。チケットを申し込み、当選した人は1年後を思い今から胸を踊らせているのではないでしょうか。あるいは、追加抽選結果発表を心待ちにしている人もいるのではないでしょうか。
今夏、様々な競技でテスト大会が行われています。その一つである、「2019世界ボートジュニア選手権」のボランティアに参加しました。
私は競技サポートを行いました。世界レベルの選手達の競技中だけでなく、準備といった舞台裏の様子を間近で見ることが出来る貴重な機会となりました。
一方で様々な問題も感じました。その一つは暑さ対策です。
海の森競技場は会場に屋根が少なく、日陰となる部分が少ない状態です。観客席には費用の問題から屋根が半分ほどしかつけられていません。観戦中は大勢の人が炎天下にさらされることとなります。また、それ以外にも選手の陸上での活動スペースに日陰が少ないと感じました。
対策に関してはボランティアに対してはスポーツ飲料などのドリンクが飲み放題でした。また、活動場所にはテントが張ってありこまめに日陰に入ることができました。観客に対してはバス待機所にはミストシャワーが用意されていました。選手達は屋外に国別にテントを張りその中に荷物を置き待機していました。また、準備運動もなるべく建物の陰で行おうとする試みも見られました。
しかし、これらの対策もオリンピック本番にさらに多くの観客が世界中から駆けつけた場合に十分なものか不安が残ります。テントで日陰を作っているとは言え、今回その量は不十分だと感じました。またミストシャワーも強風下ではミストが流れ、その効果に疑問を感じました。
世界中の人々が熱狂するオリンピックで熱中症になる人々を大勢出すわけにはいきません。現在、街路樹の利用や「かぶる傘」など様々な対策が練られています。しかし、個々人の対策を促す試みも不可欠です。大会では暑さに慣れていない国からも人々が訪れます。各会場入り口や公共交通機関内などあらゆる場所で注意喚起を行う必要があると思います。
観客、選手、ボランティア、大会に関わる全ての人が安全にオリンピックを楽しむことが出来るようにするためにはさらなる対策を練ることが必要です。
参考記事:
8日 日本経済新聞朝刊(大阪14版)27面(オリパラ)「かぶる傘 遮る光」
10日 日本経済新聞朝刊(大阪14版)2面(総合1)「暑さ対策 あの手この手」
12日 日本経済新聞朝刊(大阪13版)27面(社会)「観客のバス輸送、安全スムーズに」