今日の日経新聞に、海外からの車いすユーザーにとって新幹線旅行は制約を感じることが多いと書かれていました。例えば、車いす対応席を予約するには、2日前までに駅の窓口へ直接出向くか、電話で申し込むしかなく、列車の乗り換えには15分の確保が前提とされ、隣のホームへの簡単な移動なのに1時間半も余計に待たされることさえあるそうです。
この記事を読んで、果たして車いすに配慮が必要なのは海外在住の人だけなのか、と考え込みました。半身麻痺の祖母を介護していた時に、車いすの祖母を連れて出かけたことがあります。バスを利用しましたが、運転手さんがいちいち運転席から降りてスロープを出し、車いすを固定してくれるのでとても時間がかかりました。ほかの利用者の目を気にして、車で移動することが多くなった経験があります。
車いすの人が、駅のホームで腕時計を見ながら顔をしかめている光景を、つい先日見ました。いつも利用するJR中央線で遅延があり、昼間の時間帯なのにひどく混んでいたためです。電車がホームに着くときに見ただけなので、その人が無事に電車に乗れたのかは確認できませんでしたが、満員電車に乗り込むのは容易ではなかったでしょう。
JR総武線沿線の駅でアルバイトをする友人に話を聞いてみました。車いすの方に付き添って乗車用のスロープを付けるには講習を受けなければならないので、補助をした経験をもとに話してくれました。
「満員電車で車いすの人のためのスペースを作るのは大変。中には隣の車両に移ってくれる人もいるが、どの号車もいっぱいだから、つめるしかない」
朝のラッシュ時はとくに大変で、たとえ車いすの専用スペースでも他のところと同じくらいぎゅうぎゅうに人がいるのが現状です。
車いす利用者の声も聞きたいと思いたちました。Webで検索して、NPO法人車椅子社会を考える会の理事長である篠原博美(しのはら・ひろよし)さん(67)に電話でお話をうかがいました。篠原さんは、4年前から車いす生活を余儀なくされています。「車いすスペースについて知ってほしい」。半身麻痺で隣の人のショルダーバックが少し当たるだけでも痛みを感じる篠原さんは、少しでもスペースを空けてほしいと訴えています。
車いすの人が電車を利用しやすいように、ラッシュ時でも専用のスペースは空けておくべきだと思います。スペースの拡大も願うところですが、一人一人の意識から変えるべきでしょう。まずは私から。車いすに配慮し、専用スペースは避けて乗車することにします。
参考記事
11日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)31面(オリパラ)「パラPhrase マセソン美季 新幹線 車いすに配慮を」