戦後73年と8ヶ月を迎えた日本。
戦争から長い月日が経ち、平和な毎日を過ごしてきた。本当に恵まれていると筆者は日々思う。日本の総人口の8割以上が戦後生まれで、戦争の悲惨さや爪痕を知らない若者が増えている。だからこそ、戦争を生きた人々の話にしっかりと耳を傾け、その苦難にきちんと目を向けるべきなのではないか。
1945年8月6日、広島に原爆が投下された。数十万度の火の玉ができ、熱線が街中を襲った。14万人にも及ぶ人が亡くなった。
そんな決して忘れてはいけない歴史を学び、感じることができる施設がある。原爆犠牲者の遺品を収蔵する広島平和記念資料館である。4年間のリニューアル工事を経て、25日に全面オープンした。
館内は被爆者や遺族の苦しみに向き合ってほしいと、実物展示に重点を置く一方、説明文は極力抑えたそうだ。爆風で曲がった鉄骨や煙突などの資料、犠牲になった学徒が身につけていた衣服、被爆死した幼児の三輪車などの遺品や犠牲者の日記や手紙、遺影や遺族の手記などが新たに並べられた。
私が訪れた時にはまだ改装工事中であったが、展示を鮮明に覚えている。子供の破れた服や、熱で溶け去ってしまったガラスをみて、筆者は幼いながら心を揺さぶられた。
グローバル化に伴い外国人観光客に向けての対応を強化した。外国人被爆者について紹介するコーナーの設置や証言ビデオの多言語化が進められている。
外国人の入館者数は6年連続で前年を上回っている。広島市の入館者数概況によると、平成30年度には全体入館者数の28.6%を外国人観光客が占める。10年前と比べると倍増している。オバマ効果もあるのだろうか。
核兵器廃絶、世界平和の実現を世界に訴えるためにある施設である。この地を訪れて初めて戦争や原爆の恐ろしさや悲惨さを感じる人も多いのではないか。世界中のどこの人も、どんな地位にあっても、広島は訪れなければならない場所であると思う。
私も夏休み中に再訪しようと思う。大型連休も始まる。リニューアルを機に、広島に行かれる方はぜひとも広島平和記念資料館へ足を運んでほしい。
【参考文献】
・2019年4月26日夕刊朝日新聞「広島・原爆資料館リニューアル」 https://www.asahi.com/articles/ASM4T34BNM4TPTIL004.html
・原爆のこと知っていますか
https://www.asahi.com/articles/ASJ82630SJ82UEHF00M.html
・広島市
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1554427499438/index.html