熊本地震から3年   復興への道のりはまだ長い

4月から我が家には、日経・朝日・読売の3紙が届くようになった。1面に何を持ってきているか、記事の大きさをどうしているか三者三様で、読んでいて面白い。

▲本日の一面(筆者撮影)

「仮住まい なお1万6500人」。

東京本社版で見ると、朝日新聞のみがこの出来事を今朝の1面で取り上げていた。

熊本地震から、今日で3年が経った。

▲朝日新聞DIGITALより

帰る家がある。安心して眠れる場がある。そんな当たり前の日常を一瞬で奪う地震は、本当に容赦がない。家族のために苦心して建てたばかりの新築住宅も、思い出がたくさんつまっている住み慣れた家も、人間の事情などお構いなしに壊していった。

今朝の読売新聞によると、経済活動は元に戻りつつあり、畜産などの農家のほとんどが営農を再開した。企業の倒産件数は地震前のペースを下回っているという。テレビでも取り上げられていたが、熊本城の修復工事も着々と進んでいる。

それでも、生活の基盤ともいえる家を失い、仮設住宅など仮住まいに3年経った今も約1万6500人が暮らしているという現実をどう考えたらいいのか。震災前の暮らしを取り戻すなかで、落差が生じてきてしまっている。転居先を見つけたとしても、新しい土地での暮らしに不安はつきものだ。復興への道のりはまだまだ長い。

多くの問題を残した熊本地震だが、3紙のなかで1面に据えたのは1社のみ。年月が経ち、新しいニュースが常に生まれるなか、最も大事なトピックには選ばれなくなっていく。来年は1紙も1面で扱わないかもしれない。

復興に関するニュースは難しい。現地の人とそうでない人との間では、月日が経つほど復興への関心に差が生じてくる。それでも、年に1度、地震が発生した日には、扱いこそ変われども紙面で取り上げられ続けるだろうし、そうであってほしい。地震の少ないといわれてきた北海道でも去年は大きな揺れに襲われた。もうどこに住んでいようと、他人事ではない。

地震大国日本だからこそ、人々にどう寄り添うべきか学ぶ機会は多くある。
地震を無くすことは不可能だが、被害を最小限に抑えるため、備える努力は出来る。

今一度、防災、減災について考えたい。

 

参考文献:
4月14日付朝日新聞朝刊(東京14版)1面「仮住まい なお1万6500人」
同日付読売新聞朝刊(東京13版)3面「社説 仮設後の生活にも目配りか」
同日付日本経済新聞朝刊(東京13版)31面「仮住まい なお1.6万人」
https://www.asahi.com/special/timeline/20160414-kumamoto-earthquake1/ 朝日新聞DIGITAL 熊本地震タイムライン