池上氏、再び。

去年の8月に、朝日新聞で彼が連載する「池上彰の新聞のななめ読み」が打ち切りとなってから5か月がたった今日、連載が再開されました。

8月5日付けの朝刊の従軍慰安婦の検証が不十分であることを、池上氏が指摘したところ、朝日新聞側から連載の拒否をされてしまいました。一連の問題に関して、彼は

「朝日の失敗は、典型的な日本的企業の失敗。」

と述べています。過去の過ちを認定することで、上司の間違いを認めることになる。これを避けるため、問題を先送りする。ジャーナリズム機関も、日本の数々の大企業と同じ典型的な日本企業だと言います。

そんな彼が再びコラムを書こうと思った理由を、紙面でこう記しています。

「読者や朝日新聞記者から、連載を再開してほしい」という声が寄せられた。現場記者たちの、朝日新聞を再生させるという熱意と決意を感じ、読者の立場から紙面をチェックする役割を果たそうと考えた。

事実を正確に伝え、問題点を多角的な方面から論評するのが本来のジャーナリズムです。この騒動は、報道の在り方を考えさせられるものでした。と、同時に彼が連載を再開させたことは、朝日新聞が自社の過ちを認め、再生へ歩みだしている証であると感じられます。そして、池上氏のようなメディアの監視の役目は必要なのだと実感します。私たちもまた、監視する者であることを自覚して新聞をはじめとするメディアと関わっていかなければいけませんね。

 

朝日新聞 13面「池上彰の新聞ななめ読み」

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