平成の終わりに

平成と聞いて、何を思い浮かべますか。バブル崩壊、オウム事件、情報技術の進化、度重なる災害…。数多くの出来事や変化がありました。平成生まれの筆者ですが、特に胸に深く刻まれているニュースは、アメリカ同時多発テロと東日本大震災です。大きな衝撃を受けたのはもちろんですが、平和の難しさや命の重みを私たちに強く問いかけている気がしました。

今日の紙面では、平成時代というタイトルで特集が組まれています。読売新聞の世論調査によると、今の天皇陛下に親しみを「感じている」と答えた人は8割を超えたそうです。東京国際フォーラムでは今、共同通信社による写真展「平成の軌跡―定点観測者としての通信社」が開催されています。

実際に立ち寄ってみると、被災地や戦没追悼式で国民と言葉を交わし、人々の心に語りかける天皇陛下の姿が何枚も展示されていたのが印象的でした。天皇陛下が果たされてきた役割の大きさを感じました。これまで取り組まれてきた活動のうち、とくに意義深いと思うことという質問では、「地震や水害などの被災地訪問」84%が最も多く、「国際親善のための外国訪問」63%、「戦没者慰霊のための戦跡地訪問」56%と続いています。

平成には「国の内外、天地とも平和が達成される」との願いが込められていたそうです。新元号で使われるとよいと思う漢字1文字を問うたところ、「和」125件、「安」120件などが多く、平和で明るい時代の到来を望む気持ちがにじんだと報じられていました。憲法改正論議が進む今、平和についてじっくり考え、記憶を受け継いでいくことの大切さを実感します。

私たちの年代では、#平成最後の○というハッシュタグも流行しました。これからは「平成生まれの古い人」と揶揄されるのかという不安に加え、生まれた時からなじんできた元号が変わってしまうことへのちょっぴり寂しい気持ちはありつつも、まだ見ぬ新しい時代が始まるというわくわく感も抱いています。平成の終わりに、皆さんは何を感じていますか。

 

参考記事 28日付 読売新聞朝刊 13版 20、21面 「平成時代 世論調査特集<下>天皇陛下 国民と共に」