日本の携帯料金は高すぎて払えない!ってホント?

近年、「日本の携帯料金は高すぎて払えない!」といった議論を、政府がよく口にしています。国士的には割高とされている携帯料金を引き下げるために、総務省は大手キャリアに対しての発言が定期的に取り上げられています。

今日の新聞各紙は、「モバイル市場の競争環境に関する研究会」と「ICTサービス安心・安全研究会」が両研究会の第4回会合を共同で開催し、緊急提言案を公表したことを報じています。

紙面によると、端末料金と通信料金の完全分離を義務付け、契約期間を過度に縛ることを禁じるよう求めた提案で、実行のために電気通信事業法の改正を検討することも求めています。分離を徹底することで、事業者間の競争を促進させ、通信料金の引き下げを目指すという狙いがあります。

一方、

「通信と端末の「完全分離」プランが徹底されれば、端末代の実質価格は高くなる可能性が大きい」(朝日新聞)

とあるように、端末代も含めた携帯料金の総額は、むしろ高くなってしまう可能性もあります。

そもそも、端末とセットで買うことが当たり前となっている日本では、端末料金をあまり気にしたことがありません。毎回、新型のiPhoneが発売されるたびに買い替える人が多くいますが、最新の「iPhoneXR」は、最も安いものでも10万円。それを、通信代とセットで買うことで「ゼロ円」で購入することができていたのです。

実際に、「格安SIM」が登場し、大手キャリア以外の選択肢が登場してからは、中古スマホを購入できる場所が一気に増えた印象があります。もしも、最新機種を買うのに10万円も払わなければいけなくなったら、2~3万円程度で購入できる中古のほうが魅力的に映るかもしれません。

「2年縛り」についても、最近のスマホは2年が経つ頃にはバッテリーがもたなかったり最新のOSにアップデートできなくなったりなど、何かしらの不便が生じてきます。その点も含めて、「いうほど困ってなかった」気がします。

はじめ、「通信料金の値下げ」を政府が言い出した際には「複雑な料金設定」といった問題が解決され、今よりも毎月の通信料が安くなるものだと思っていました。しかし現実では、本当にそうなるのか、不透明なままです。

本当に国民のための政策なのか、改めて考える必要がありそうです。

参考記事:

27日付 朝日新聞朝刊(東京13版)8面(社会)「通信と端末「分離」提言」