知ってる?インドの交通事情

ゼミの仲間とインドを旅したのは今年の7月なのですが、もうずいぶん昔のことのように思えます。むっとする暑さと、予想を裏切らないカオスな社会に最初はうろたえたものの、今となっては「また行きたいな」と思うのですから不思議です。そしてあれ以来関連のニュースがあると気になります。

今日の日経新聞によると、インド各地で地下鉄の新規開通や延伸が相次いでいます。私たちもデリーやコルカタで利用しました。車内の清潔さや乗客のマナー、乗り心地は日本と変わりませんでした。そして、デリー・メトロでは初乗り運賃が10ルピー(約16円)と、とにかく安い。

異なる点といえば、改札口を通る前にセキュリティチェックを受けることと、「トークン」というプラスチック製のコインがきっぷ代わりになっていることでしょうか。便利なプリペイド式のICカードもあったようですが、知りませんでした。トークンの中にはICチップが埋め込まれており、自動改札機にタッチすると扉が開きます。行きのトランジットで立ち寄ったクアラルンプール(マレーシア)でも見かけたので、東南アジアの鉄道ではこれが主流なのかもしれません。

こうした整備の背景には、渋滞改善や排ガス削減のねらいがあると言われています。たしかに、整った印象のメトロに比べると道路状況は非常にごちゃごちゃとしています。混雑しているところでは車間距離がほとんどなく、強引な追い越しもしばしばです。「追い越すぞ」「通りますよ」と言わんばかりに、みんなひっきりなしにクラクションを鳴らします。

怖かったのは道を横断する時です。横断歩道が少ないので、車の流れが途切れた一瞬を見計らってわたります。こちらが歩いていてもスピードを落とさない車もいて、突っ込むように走り抜けたこともありました。2017年のインド国内の交通事故による死亡者数は14万6377人で、1日あたりの数も世界第1位となっています。政府も道路整備や罰則強化など、地道に取り組んでいるようです。

ハイテクな部分と、こうした無秩序な部分が混在しているのが新興国であるインドの面白いところだと思います。必ずまた訪れます。

参考記事:14日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)8面(国際・アジアBiz)「インド地下鉄網 急拡大 首都デリー、東京抜き4位へ 沿線・駅ビル開発進める」