京都では大勢の外国人を見かけます。
そしてその大半は浴衣や着物を着ています。
31日付日本経済新聞朝刊では、浴衣や着物を着て食べ歩きを楽しむ訪日客の増加が紹介されています。外国人観光客の関心は買い物から体験型へ移っているようです。衣服を変えることは古都の魅力を手軽に体験できるものなのでしょう。
しかし、観光客が増加する反面、観光地で生活する人にとっては不便も発生します。
京都駅から京大まで行くルートはいくつかありますが、そのうちバスで主に使われるのは市営206系統のバスです。
この路線は、三十三間堂や清水寺、祇園などの京都の東側の主要な観光地をすべて通ります。そのため、バスは観光客であふれかえります。日本語が全く通じない外国人観光客も多く、運賃の支払い方法を伝えるのに運転手が四苦八苦する姿を目にするのも少なくありません。コミュニケーションをとるのも一苦労なため、乗車や降車に多大な時間がかかります。
その結果、混雑時には約5.6kmの距離を1時間半かかったこともあります。
今年4月、念願の「京大快速バス」ができました。京大病院前、京都大学前まで停留所が少なく時間が大幅に短縮されました。しかし、観光客増加に伴う通行量増加による道路の渋滞は改善されていません。
訪日客が増えることは喜ばしいことです。しかし、観光地に住む人が生活に不便を感じることは避けるべきです。私は大学生活の4年間を過ごすだけにすぎませんが、古来より続く行事や慣習を継承して、寺や神社、街並みという観光資源を守ってきたのは京都に長らく住む住人です。
観光地で生活する人が快適に生活できることともてなすことの両立は必要だと思います。
そして、海外の観光地に行ったときには現地の人に迷惑をかけないように最低限のルールやマナーは覚えていきたいものです。
参考記事:
31日付 日本経済新聞朝刊(大阪14版)43面(社会)「浴衣で参道 食べ歩き」