先日、何年ぶりかで水族館へ行きました。私の身長より大きいものから、米粒くらいの目に見えるか見えないかくらいまでの、とても特徴的な魚が優雅に泳いでいました。また、水族館には特有の雰囲気、ムードがあります。時間がゆっくり進んでいる感覚。まるで水の中に潜ったときと同じくらい静かな空間。あの雰囲気は、ここでしか味わえないものだと思います。
しかし、その心地よい空間を壊してしまうものがあります。それは、「スマホのシャッター音」です。カシャカシャと泳ぐ魚を撮っては、次の水槽へ行き、そしてまた。魚を鑑賞しに来ているのか、それともインスタ映えする写真を撮りたいだけなのか、私には理解できません。さらに、撮影に集中するあまり、近くの人にぶつかってしまうという光景も見ました。
私が疑問に思うことは、「水族館や美術館のような施設での写真撮影は、賛成か反対か」ということです。
今朝の日本経済新聞に、美術館でスマホ撮影することはどうなのかというテーマについて、東京大学にて議論されたという記事が掲載されています。
そして、近年、撮影を禁止していた施設が、積極的に許可する事態が増えているそうです。狙いは、SNSに写真を投稿することでの宣伝効果です。しかし、特定の作品のみがネットに拡散されることに疑問を投げかける声もあり、これから個々の美術館はどうスマホに対応していくのか、問題かもしれません。さらに、作者側も許可するのかどうか、考えなければなりません。
私は、このような公共の施設で、一切スマホを使用するなとは言いません。しかし、もっと周りの来館者を配慮するべきではないでしょうか。前回も、スマホの使用に関する記事を投稿しました。こちらは家庭での教育に関することですが、今回は他人にも迷惑をかける社会問題です。
なので、「写真を撮る場合は、音や光を伴う撮影は禁止」のような注意喚起が、特定の施設では必要だと思います。スマホの機種によっては、シャッター音を削除する設定があります。また、もともと音の出ない写真アプリもありますので、周りを考えて撮影することが大切です。
参考記事:
4日付 日本経済新聞朝刊 14版42面 「美術館でスマホ撮影OK? 是非を議論」