ある日、アルバイト先へ向かう電車に乗っていると、3歳か5歳くらいの小さい子が、スマホを片手に何かを必死に見ていました。ゲームをしているのか、それとも動画を見ているのか、よく分かりませんでした。保護者かと思われる女性は、もう一人の赤ちゃんをあやすのに大変そうでした。その光景を見たとき、「なんか異様だな」と思った私は少数派でしょうか。
他にも、この時と同じような感情を抱いたことがあります。最近のCMに、タブレットに漢字を書いて、書き順が合っているのか、止めるところはねるところができているかを瞬時に教えてくれる教材が、大々的に紹介されていました。この教材は、漢字のみならず、算数や理科、社会など、小学校で必要な科目を網羅しているそうです。
今朝の朝日新聞では、乳幼児(生後0日~小学校就学までの子供を指します)にスマホを使用させていいのかという内容の記事が記載されています。そこでは問題が提示しています。
・乳幼児から使わせるべきか
・子どもの知能や情緒を育成するか
・親が「子守」として頼って良いのか
私の考えでは、乳幼児から使用させるのは早すぎると思います。なぜなら、スマホには大人も中毒にさせる魅力があるからです。通学、通勤するときの風景を思い出してみてください。駅では、多くの人が首を傾けています。また電車に乗れば同じ風景が。もしかしたら、自分もその風景の一部になっているかもしれません。
子供より自制心なる大人でさえも、日頃から何時間も見ているのが当たり前なら、子供はどうなるのでしょうか。親が規制すればいいという意見もありますが、先ほどのように、使わせてくれなければ泣いてねだると思います。なので、中学か高校から、早くても小学校高学年から使用させるのが良いと考えます。
では、知能や情緒の育成はどうでしょうか。これは、本に比べると劣ると思います。本には、知りたい内容だけではなく、余分な情報も載っています。例えば、世界のさまざまなチョウを知りたいので、昆虫図鑑を買ったとします。図鑑にはチョウだけでなく、トンボやハチといった、知ろうとしなかった情報まで目に入り、無意識のうちに蓄えられると思います。ピンポイントな情報を得るにはスマホが向いていますが、好奇心を育てるのは本でしょう。
最後に、子守として頼って良いのかについて。子守にスマホを持たせる風景を想像すると、ほ乳瓶でミルクをあげる代わりのようで笑ってしまいます。しかし、母親の立場から考えると、すぐに渡して使わせた方が、楽なのかもしれません。
スマホが登場したのは、今から約10年前。私が乳幼児だった頃は、存在していませんでした。この記事を読んでくださっている方の大半もそうでしょう。今の子供には、スマホを触ってる人が、どのように見えているのでしょうか。もし、いま子供だったら、ふしぎな気持ちになると思います。
ステレオタイプだと思われるかしれません。しかし、乳幼児というとても小さい時期には、今までのように、本を使って調べるように教えたり、家の中だけでなく、一緒に外で遊んだりしたほうが良いと思います。
子供は思っているより、親の行動を見ていると言われています。「自分は規制されるのに、なんでお母さんはいいの?」と聞かれたらどうします?まずは自分の行動を見直すことも大事ですね。
参考記事:
12日付 朝日新聞朝刊 10版15面「乳幼児にスマホ あり?」