検証はSTOP

「忘れた頃にやってくる」、そんなことを感じさせてくれた今朝の一面、期待と疑惑に包まれた中で、当時者は何を思っていたのでしょうか。また、なぜこのような事態に発展したのでしょうか。今日は一応の幕切れとなったこのニュースをみなさんと考えていきたいと思います。

検証終了 残った疑問(朝日新聞)

「STAP」解析は継続(讀賣新聞)

STAP 成果に焦り(日本経済新聞)

各紙の論調の通り、19日、iPS細胞を超える万能細胞として注目を集めたSTAP細胞の検証実験の結果が発表されました。結果としては、「STAP細胞はありません。」ということになり、検証は打ち切られました。今後は小保方氏が発見したものの正体を突き止める研究が行われる予定です。そもそもことの発端は、STAP細胞に関する小保方氏の論文にコピー&ペーストが発見されたり、研究内容と日時を記録する研究ノートが少ないなど、研究上の不正と疑われる事実が明らかになったことでした。その後記者会見を開き、小保方氏はSTAP細胞の存在を主張しましたが、昨日の発表で否定されました。単なる研究上のミスであれば、訂正し、論文を再度出すなど、本人もすぐに対応を取ることが出来たでしょうが、記者会見までも時間の開きがあり、検証実験の開始までにも更に時間の開きがありました。おそらく、このようなタイムラグも世間の疑念の原因となり、問題を大きくしたのではないでしょうか。

彼女が一度でも作成に成功したかどうかは闇の中ですが、公表された事実としては存在は否定されたSTAP細胞、小さな細胞とは比べ物にならない大きさまで事態は広がりを見せましたが、なぜここまで大きく広がったのでしょうか。筆者は、我々一般の受け手に原因あるように感じています。筆者含め周囲の人々はSTAP細胞が発見された時、、それが何かよく分からないうちに小保方氏個人の情報ばかりに注目し、STAP細胞そのものにあまり注目していなかったと記憶しています。専門的な内容であり、限界はあるかとは思いますが、内容に目が向けられるような科学知識というものを身に着けられていないということがこのような結果に至ったと考えています。現に今回のノーベル賞受賞を受賞した日本人は発光ダイオードのどのような研究で受賞したか知っている日本人は決して多くないと考えられます。また、iPS細胞も同じような状況ではないでしょうか。

STAP細胞をめぐる今回の事態は、もちろん小保方氏や理研の不手際であることに間違いはありません。しかし、ここまで大きくしてしまったことには、我々一般人も無責任ではいられないのではないでしょうか。受け手の責任を改めて考えてみる、そんな意識改革が必要なのではないでしょうか。

参考記事:本日付讀賣新聞(東京14版)1,2,3,14,39面・同日付朝日新聞(同版)1,2,14,32面・同日付日本経済新聞(同版)3,8面