5月に入り、早ければ就職活動も落ち着く友人が周囲にちらほら現れ始めました。一方で、行く先が決まらないと嘆く友人からこんなことをよく聞きます。
「集団面接、可愛い子ばっかりやった。勝てるわけないわ」
「モデルさんとか、スタイルもよければ顔も可愛い。勝ち組やん」
そうだよなぁ、私も人事のおじさんだったら可愛い子が部下にほしい、なんてことを思っていたところに、こんな記事を見つけました。
今日の読売新聞朝刊、人生案内のコーナーです。唇に生まれつきの奇形があり、60代になった今でも鏡を見て憂鬱になるという神奈川県の女性の投書。これまでも3回の手術を経験し、いまだに口から鼻にかけて跡が残っているそう。笑顔を作るのが苦手で、時には怒っていると勘違いされることもあると言います。夫には気にしなくていいよ、と言われるものの、いい年をして、孫もいるというのにいまだに自分の顔のことが気になってしまう、顔のことが気にならなくなるのにはどうしたらよいものか。
そんな女性の悩みに答えたのは、スポーツ解説者の増田明美さん。増田さんは過去に、ドラマで不美人、ブスの役をもらったことがありました。その話を受けて家族は反対しましたが、「人は持って生まれた顔立ちよりも、顔つきが大事」というそのドラマのテーマを聞いて納得したのだそうです。
そもそも、「ブス」という言葉の語源は植物の「附子」。付子とも書きますが、毒性が強いことで知られるトリカブトの塊根のことです。強いアルカロイドが含まれるため、人間が摂取すると神経系の機能が麻痺して無表情になるようで、その無表情のことを「附子」と呼び始めたのが由来となっています。顔立ちが醜いという意味の「ブス」は、そこから転じたものなんだとか。
投稿者の女性のケースでは私たちが考えているような「ブス」ではないのですけれど、一女性として、顔立ちについてのあれやこれや、鏡を見て憂鬱になる気持ちの多少は理解できます。女の顔は命とも言います。女の顔を傷つけることは、男性が絶対にやってはいけないことのひとつです。やっぱり、顔がいいのに越したことはないのです。
さて、あなたはどうでしょう。不愛想な美人とよく笑う不美人、どちらとお近づきになりたいですか? 私は不純で正直なのでどちらとも仲良くなりたいですが、やっぱり先に話しかけようと思うのはよく笑う人なのではないでしょうか。美人は生まれもってのアドバンテージですけれど、笑顔だって、自然にいつでも笑っていようというのはなかなか難しいことです。それができるようになったら美人でも不美人でも、人から悪く思われることはないでしょう。あとは、自分の顔立ちを許せるかどうかというところ。
さて、ちょっと前にイギリス出身の後輩男子とこんな話をしました。
「日本人の女の子ってみんなばっちりメイクしますね。僕はすっぴんでもいいと思うけど」
「イギリスの女の子ってメイクしないの?」
「あんまりしてないイメージですね。あ、でもよく笑う子が多いかも」
「なるほどねー」
女はやぱっぱり顔なんでしょう。
参考記事:
9日付 読売新聞朝刊(大阪13版) 21面(くらし) 「《人生案内》 顔に奇形の痕 気になる」