3月1日に会社説明会が解禁となり、街にリクルートスーツを着た就活生が溢れる季節がやってきました。真っ黒のリクルートスーツを着た学生を見る度に「そうか、もうそんな季節なのだな」と感じていた私もついにこの春、スーツを着る側になりました。しかし、定着しつつあった「3月広報解禁、6月採用面接解禁」もまた変わることになりそうです。
経団連は2021年春以降に入社する学生を対象に、就職活動ルールの見直しに着手しました。現在の会員企業は6月の採用面接解禁、10月内定の段取りで動いていますが、前倒しや取り決めの緩和を検討するそうです。榊原会長は「ルールを決めず、やりたい放題採用活動をする状態も問題である」と制度自体の撤廃には否定的であるそうです。
一人の就活生として周囲を見回すと、「ルール決め」はナンセンスだと感じざるを得ません。というのも、外資系企業やベンチャー企業など、経団連に属さない企業は現状「やりたい放題」で、こうした企業も視野に入れている学生にとっては、今のルールが逆に就職活動が長期化させる要因になっているからです。
私自身は経団連のメンバーでない会社への就職を考えていたこともあり、3年生の春から活動を始め、かれこれ1年以上も続けていることになります。また、経団連の加盟企業だけを志望している友人も、インターン参加のため私とほぼ同じ時期から動いています。ルール決めは「学業に悪影響を及ぼさないため」にあるのに、逆効果なのではないか。そう感じざるを得ません。
周りの友人たちは、留学やインターン、バックパッカーなど様々なことにチャレンジしています。大学生のライフスタイルが多様化していること肌で感じます。だからこそ、「通年採用の実施」が最も現実的な選択肢なのではないかと思います。学生のために定めるというのであれば、私たちの声をしっかり聞いてほしいものです。
参考記事
日本経済新聞朝刊(京都14版)3面(総合2)崩れる新卒採用ルール