パソコン離れ 個人差も

昔からパソコンが好きで、時間を見つけては使っていました。メールやオンラインゲーム、動画の視聴など、今はスマホ一つで片付けられることばかりですが、夢中でやっていました。長時間やっていると家族にあまりいい顔をされなかったので、ときにはこっそりと。インターネットは情報の海です。内向的な性格の自分には一番の楽しみでした。

今も、パソコンに触れている時間は人より多いと思います。そのため、高度な技術や知識はありませんが、搭載されている基本的なツールやOfficeの使い方は「なんとなく」わかります。

今日の記事で取り上げられているのは、マウスのダブルクリックやExcelの入力欄「セル」を知らない若者の話です。彼らがIT企業の新入社員だというので、驚きました。しかし、使い慣れていないのなら無理もありません。大学で所属している新聞部では「InDesign(インデザイン)」というソフトを使って紙面の編集をしているのですが、「普段は全然パソコンを使いません」という後輩は、いちいちおっかなびっくり操作していました。

ただ、使い方さえ覚えればあっという間に使いこなせるのが、私たち「デジタルネイティブ」世代の強みでもあります。

心配されているのは、社会のデジタル化が進む中で、IT機器の扱いに不慣れな高齢者が情報やサービスにアクセスできなくなるのではないか、ということです。ケン・ローチ監督の映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」で、求職者手当を申請しようとした59歳の主人公、ダニエルはオンラインでの手続きにてこずります。職員に「画面上でマウスを動かして」と言われると、マウスを持ち上げてモニターの上でスライドさせてしまいます。

デジタル化の波は止められませんが、そこから取り残されそうな人々への伴走型サポートが欠かせません。ちなみに、もうすぐ85歳になる祖父はExcelを使って家計簿をつけています。ほんとうに便利なものは、誰でも使えるし、使いたいと思うのでしょう。

参考記事:
27日付 朝日新聞朝刊(東京12版)15面(オピニオン)「(ネット点描)新たな情報弱者 キーボード使えない若者」