月と太陽。秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんが、お互いをこう表現したのは5ヶ月前のことです。昨年9月に開かれた婚約内定の会見では、お二人がとても素敵な関係を築きあげてきたことが伝わってきました。ですが、宮内庁は結婚を再来年である2020年に延期すると発表しました。来月4日には一般の結納にあたる「納采の儀」が行われるはずでした。突然のニュースに驚きが隠せません。
宮内庁は延長の理由として「準備の時間がないこと」を挙げています。また、眞子さまは自身と小室さんのお気持ちを書面で公表しました。全文は新聞でも読むことができます。昨年5月、正式発表より前に婚約報道が流れました。それを機に、大幅に前倒しして準備を進めてきたことを振り返り、「色々なことを急ぎ過ぎていた」「この速度が自分たちに本当に合っているのかを慎重に考えるべきでした」とつづられていました。
さて、結婚延期に関して各新聞社はどう伝えているのでしょうか。朝日新聞は二人にゆかりのある人たちの驚きの声をメインに紹介しています。見解や有識者のコメントもなく、あっさりしていましたが、二人の決断にエールをおくっているような印象を受けました。
読売新聞は近現代皇室史に詳しい教授に取材を掲載しています。内定発表後から一部の週刊誌による小室家をめぐる否定的な報道が続いています。このことを考えると延期は「日本では個人の合意よりも家同士の結婚という意識がいまだに根強い」ため、「やむを得ない選択だった」とし「宮内庁や関係者は慎重に対処すべきだった」と指摘しています。宮内庁は結婚延期の理由として一連の報道との「関係はない」と否定しています。でも、「やはり当人たちだけで決断したわけではない」と思ってしまいます。
そんな私にとって興味深い解説をしていたのは日本経済新聞。一連の報道が「皇族の結婚相手としてふさわしくない家柄」と決めつける空気を助長することを憂慮していました。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と憲法24条で保障されていることを軸に論じています。少し心配しすぎなのかもしれませんが、納得できました。ふさわしいのか、そうではないか。素直な目で見ていなかったことを反省しました。
皇族という特別な立場ならではの事情があるのかもしれません。ですが一般の人と同じようにたくさんの人の中からふたりが出会い、一緒に生きていきたいと決めたわけです。2年間ゆっくり時間をかけて準備をしてほしいですね。
それぞれの記事を見比べることで視野を広げることができました。新聞社にとって皇室関連の記事は書きにくいかもしれませんが、いろいろな人の声や見解を読みたいです。
参考記事:
7日付け 朝日新聞朝刊(東京14版)1面「眞子さま結婚20年に延期」、関連記事 社会34面
同日付け 日本経済新聞(東京14版)1面「眞子さまの結婚延期 宮内庁20年に」、関連記事 40面
同日付け 読売新聞(東京14版)1面「眞子さまの結婚延期」、関連記事34面