荒れる東京株も底堅い日本がこれからなすべきこと

東京株の値動きがここ最近荒っぽくなっています。日経平均株価は9日の取引時間中にバブル崩壊後の高値を25年ぶりに更新して一時2万3000円を回復して16営業日連続で値上がりしましたが、その後は利益を確定するための売り注文が広がり、16日には2万2000円を割り込む場面もありました。

16連騰するほど株価が好調だった要因の一つは日本銀行の超緩和政策です。「黒田バズーカ」とも呼ばれた金融緩和の影響で円安に傾きやすいことや、大量に刷られた円が投資家に安心感を与えています。また、好調な国内企業の業績も投資家の購買意欲を高めています。しかし、株価が上がれば投資家はそれを売りに出して差額で儲けます。16連騰でおよそ2300円値上がりした反動でその後は売り注文が広がり、株価は値下がりしました。

株価は日本経済に大きな影響を与えます。株価が値上がりすれば、投資家の利益が大きくなり消費が活性化しやすくなります。また、私たちの年金資金の一部は株式市場で運用されており恩恵を受けます。また、そもそも株価が上がったという明るいニュースが一般の消費者の消費にもある程度は影響を与えます。

今、日本経済は非常に緩やかではありますが成長を続けています。この成長の最中にできることは何でしょうか。筆者は、消費税の再増税は10%で終わりにして、以降、景気の過熱が起きない限り消費増税の議論すらしないことだと思います。単に増税をするだけでは、「どうせいつかまた増税するから節約しておこう」と国民が無意識に考えてしまいかねません。増え続ける社会保障費や教育無償化への財源の手当てをしっかりすることで、国民に将来の安心感を与えて消費を活性化するのが一番現実的なのではないでしょうか。

これを実現するには政治・国民・企業の協力が必要です。企業は収益をしっかり社会に還元する、国民は節約志向に傾きすぎずにしっかり消費する、政治はその姿勢を邪魔しないようしっかり応援する。こんな当たり前のことをさらに堂々とできる社会が必要だと思います。

参考記事:

17日付 読売新聞14版朝刊11面(経済) 「東京株 荒い値動き」