父が還暦を迎え、1歳年下の母も先月誕生日を迎えました。まだまだ元気でいてほしいですが、親の死について思うことが多くなっています。
最近考えているのはお墓のことです。父は、母とともに先祖の墓に入ると言っています。「必ずそこに入りたいの?」と聞くと「そうではないが、自分もそこに入るものだと思っている」という答えが返ってきました。実は、この「先祖の墓」は父の実家の敷地内にあります。父によると、これは秋田県の大曲仙北地域に特徴的なのだそうです。
私は先祖の墓ではなく、永代供養墓や納骨堂に葬りたいと思っています。理由は二つあって、一つは管理やお参りがしやすいからです。姉が地元にいるので墓守には困らないかもしれませんが、遠方にあればあるほど行きにくいのではないかと心配です。もう一つは墓の雰囲気です。鬱蒼とした木々に囲まれて寂しくジメジメとした場所で、両親が眠るのにはなんとなく抵抗があるのです。
今日の記事には墓の移転の経験談や、葬送に関するさまざまな悩みが掲載されています。「自分の遺骨をどうしたいですか?」というアンケートでは、「散骨」が140人、「墓に納骨」が117人、「樹木葬」が61人、「永代供養の共同墓地」が38人、「火葬後に廃棄処分」が10人という結果でした。散骨や樹木葬の希望が多いのには、葬送観の変化を感じます。墓を用意するためにそれなりの費用がかかるのも要因でしょうか。必要な予算が準備できなければ、選択肢も自然と限られます。
今とは別の墓所などに遺骨を移動するには「改葬許可」という手続きが必要であることも初めて知りました。移転先が記事にあったようなお寺の永代供養墓ではなく、納骨堂などでも同じなのか気になり、葬祭のアドバイスなどをする「イオンライフ」 に聞いてみました。すると「遺骨を勝手に移動させることはできないことになっています。移す場合にはどこでも必要です」との回答がありました。
先日、学生同士でこのような話をしていると、ある男子は「今からそんなこと考えてるんだ」と面食らった様子。別の女子は「ちょうど親が悩んでる時で、自分の耳にも入ってくると考えるようになるよね」。
費用、親の望み、子どもたちの希望など家族で話し合わなければいけないことはたくさんあると気づきました。まだまだ先のことかもしれませんが、自分も親もいつ亡くなるかわかりません。早めに考えるに越したことはないと思っています。
5日付 朝日新聞朝刊(東京12版)29面(リライフ)「お墓、行く末どうすれば 引越し、手続きなどに苦心」