ゴールが見えない加計学園問題

 加計学園問題などが焦点となった2日間の閉会中審査が終わりました。安倍総理は「国民から疑念の目を向けられるのはもっともだ」と答えました。国会で自分の言葉で説明をする。その謙虚な姿勢は評価しますが、知りたかったのはただ一点。総理が獣医学部新設に関わり、一連の行政手続きが不公平にゆがめられたかどうか。

 後にしこりの残る審議だったと思います。審議で野党の新設計画をいつ知ったのかという質問に対し、総理は今までの国会答弁を修正し「今年1月20日」と言い改めました。ですが、私にはこの答えには納得ができません。昨年の秋に、文部科学省によって作成された文書には、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」など記されていると報道されているからです。

 そんな私の気持ちをぴったりと言い当てたのが、今朝の朝日新聞の投書欄「かたえくぼ」でした。

 『改めるべき点あれば』あるのか、ないのか ーー国民(浦安・健さん)

 野党側は、臨時国会の早期召集を求めています。もし政府が応じたとしても、野党の追及に対して、政府側は「記憶にない」「記録はない」という答弁を繰り返すことになるでしょう。これではゴールが見えません。たしかに、関与していなかったことを証明するのは難しいです。だからこそ、各省間の調整の過程を明らかにし、行政文書を公開することを求めます。

参考記事:
26日付 各紙朝刊「参院閉会中審査」関連面