Question 次の例文のどこがおかしい??
『先日、テニス全米オープンの男子シングルスの4強がでそろいました。日本の錦織選手が準決勝で戦う相手は、世界ランク1位のジョコビッチ選手。粘り強いプレーを見せる錦織選手への期待は大きいものです。6日(日本時間では7日)に決着がつくようです。錦織選手の健闘ぶりに目が離せませんね。』
みなさんは、どこがおかしいかわかりましたか?この例文には、おかしな日本語が使われています。答えは、「決着がつく」という言い方。この言葉を、何気なく使っている方も多いのではないでしょうか。
朝日新聞が土曜日に発刊するbeに、おかしな日本語を特集する記事が掲載されていました。「決着がつく」、「違和感を感じる」、「従来より」など、これらは、あまり使わないほうがいいおかしな日本語です。では、先ほども述べた、「決着がつく」のおかしさがどこにあるのでしょうか。それは、そもそも、「決着」は、決まりがつくことという意味を持っています。したがって、「つく」をつけると、意味が重複してしまうのです。
このような重複言葉を私たちは日常生活で何気なく使ってしまっています。
「重ね言葉=間違い」ではない。言葉の正確さより、相手に伝えるという目的が優先されているからかもしれません
と『勘違いことば辞典』の著者の西谷裕子さんは述べます。
さらに、読者の自由投稿欄では、「車間距離をつめる」を、「車の車間距離をつめる」といったりなど、強調や念押しをして、わかりやすくするために、あえて重ね言葉を用いるといった意見も多く寄せられたようです。
しかし、このような重ね言葉が会話中で使われることにより、おかしな日本語文化が広まってしまうのではないでしょうか。重ね言葉を日常生活で頻繁に耳にすれば、この言葉を正しいと勘違いするようになる気がします。1つ1つの言葉に注意して、なるべく正しい日本語をつかえるように心がけたいですね。
8月6日 朝日新聞 be on Saturday 2面 「気にせずつかっている重ね言葉は」